恋は雨上がりのように
私的評価★★★★★★★☆☆☆
(2018日本)
高校2年生のあきら(小松菜奈さん)はアキレス腱断裂によって陸上選手としての夢を絶たれ、悲嘆に暮れていた。雨の日、病院帰りに雨宿りで立ち寄ったファミレスで店長・近藤(大泉洋さん)の優しさに触れたあきらは、自宅からかなり遠いその店でアルバイトを始める。あきらの近藤への想いは次第に募り、ある日、あきらはついに気持ちを打ち明ける。だが、17歳のクールな少女が本気で自分に恋するはずがないと、近藤は彼女の想いを受け止められず……。(WOWOWの番組内容から引用)
これも劇場で予告編見たときには、絶対見ないわぁ~って思ってた作品なんですが、まぁ、意外と面白かったです。
なんで見ないと思ったのかって、17歳と45歳の28歳差の恋愛という胡散臭い設定にドン引き……せんか?フツー?
この歳の差のラブストーリーって、ほぼ、あんな事やこんな事どものさまざまな障害を乗り越えて、ついにふたりの恋が成就、メデタシめでたし。って、そこまでしか描かないのが王道なワケじゃないですか。
成就した先の、フツーに想像される未来って……ま、そこ考えちゃうと、特に年上の男性の立場から考えちゃうと、やがて直面する老いだとか、介護だとか、若さへの嫉妬だとか、置いてかれる不安だとか、なんだかやる瀬ないフクザツな感情ばかりが沸々と湧いてくるばかりなワケでして^^;
でもまぁ、見る前の、自分の中のくだらん感情は放っといてwww
いきなり。コーナー毎にドリフトしながら走るようなランニングって、斬新@_@; とか。
ヒロインはじめ、陸上やってる女の子たちの走り方がカッコいい!とか。
静かに降ったり、激しく降ったり、優しく降ったり、傷にしみるように降ったり、いろんな雨の描き方がステキ!とか。
晴れ渡る浜辺を駆け抜ける元気な子どもたちが、イキイキとしてる!とか。
本筋のストーリーと関係なく、何かと映像が美しい映画ではあります。
本筋では、店長が、大泉洋さんのキャラ全開なのがいいですね。どっかしら、ほのぼのとしてる。ある意味大人のイヤラしさがない。さわやか……か、どうかまでは分かりませんが^^;
ヒロインの小松菜奈さんは……正直、濃い目の顔が苦手なタイプなんですが、あきら役、はまってるように思います。表情の作り方、セリフの回し方、うまいなぁと感心しました。設定はともかく、年上の男性に一途に惚れたら、のアルアルな展開は、共感できましたし、彼女の演技あればこその納得感でもあるでしょうね。
その他のキャストも、浮いてジャマ臭い人が混じってなくて、安心して見てられます。
ただ、思ったほどドラマティックな展開は無かったし、ラストもそんなカンジで終わるのかぁ、ま、そーだよな、とりあえず、そっからだよな。くらいの意外性ゼロな安心感^^;は、いかがなもんか?と。むしろ、続きあるの?くらいな気のもたせ方?
とりあえず、大泉洋さんと戸次重幸さんのやり取りが、しっくりきてて、イイなぁって思った。さすがです。
ついでにどーでもいい小ネタ。
ヒロインの親友役が清野菜名さん。小松菜奈さんとは名前の読みが同じ〝ナナ〟で、プライベートでも仲良しだとか。
さらにヒロインの母親役が吉田羊さん。奇しくも大泉さんとふたりの〝ヨウ〟さんが揃ってるなんて、狙ったキャスティングじゃないですよね? 知らんけどwww
●監督:永井聡 ●脚本:坂口理子 ●原作:眉月じゅん(コミック「恋は雨上がりのように」/小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載)