一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

くじらの湯

私的評価★★★★★★☆☆☆☆

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ぴあフィルムフェスティバル作品データベースから引用

 (2019日本)

子どもの目に映る銭湯の、摩訶不思議な世界へようこそ

 母親に連れられ銭湯へ行く子どもの体験を、色鮮やかに描いた短編アニメーション。扉を開ければ湯気の向こうに広がる非日常的で奇妙な世界。近所の銭湯も、子どもの頃にはこんな魔法の世界のように見えていたのかも。
BSスカパー!の番組内容より引用)

pff.jp


 第41回ぴあフィルムフェスティバル・自主映画コンペティション部門「PFFアワード2019」審査員特別賞受賞作だそうです。

 7分弱と短い尺で、しかも筆で描いた水彩画をアニメーション化したような摩訶不思議なタッチの絵柄で映し出される、非日常的な異世界〝銭湯〟のお話。

 ボクも子どものころは家風呂が無かった時代が長かったので、銭湯の記憶があるんだけど、子どもには湯船の湯はアツくて気持ちいいことないし、すぐにのぼせるし、とにかくすぐにでも出たい場所ではあったかな。
 唯一の楽しみは、お風呂上りのフルーツ牛乳だけwww


 そんな銭湯で、おとなたちが行うルーティーン的な所作の数々は、子どもの目で見ると、摩訶不思議な一連の儀式を執り行っているように感じられるのかしらね?
 確かに、かけ湯をしたあと、いきなり湯船に入るでもなく、黙々と鏡の前で身体を洗ったり髪を洗ったりを、大勢並んで同じようにやってるさまは、異様なカンジなんだろうな。
 そもそも、おとなはその様子、わざわざ見ないから。そんなん感じることがないわいね。
 特にね。女湯の事情は男には分からんからwww
 このアニメ見て衝撃受けたのよ。
 長い髪の毛バッサーと前に垂らしてワシワシ手でもみ洗いしてるの、男湯じゃ、なかなかそんな光景見ないけんね。
 顔も見えんくなるし、そんな女性が並んでるの見たら、おとなのオッサンでもギョッとしてまうかも知らんね。

 それにしても、最初と最後に映し出される海(?)の冷たいカンジ。
 そもそも銭湯の描写も、色味が不気味で、ホッとできる空間の色彩じゃない。
 なんだろうなぁ。監督さんには、子どもだけが感じる絶望感みたいなのが、銭湯の記憶にあったのかしらねぇ?
 感性豊かな監督さんなんだろうねぇ。


●監督:キヤマミズキ ●製作:東京藝術大学大学院映像研究科