一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編

私的評価★★★★★★★☆☆☆

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映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』公式サイトより引用

 (2020日本)

果てなく続く
無限の夢の中へ――

 蝶屋敷での修行を終えた炭治郎(声:花江夏樹さん)たちは、次なる任務の地、《無限列車》に到着する。そこでは、短期間のうちに四十人以上もの人が行方不明になっているという。
 禰豆子(声:鬼頭明里さん)を連れた炭治郎と善逸(声:下野 紘さん)、伊之助(声:松岡禎丞さん)の一行は、鬼殺隊最強の戦士である《柱》のひとり、炎柱の煉獄杏寿郎(声:日野 聡さん)と合流し、闇を往く《無限列車》の中で、鬼と立ち向かうのだった。

(映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』公式サイト「あらすじ」より引用)
kimetsu.com


 毎週「まだ観てないんですか? きっと好きだと思うんだけどなぁ」って言われるの〝キメハラ(鬼滅ハラスメント)〟って言うそうだけど、日本人てハラスメントを細分化するの好きだよなぁ。たぶん日本の大手メディア↔︎ネット民間で新語・造語を量産して煽ってるだけなんだろうけど。

 でさ。ボクみたいな知識の乏しい〝にわか〟がとやかく感想言って、ちょっとでも自分の好みのエピソードやらキャラクターやらを否定でもされようモンなら、すぐさま〝逆キメハラ〟みたいに罵られ、「そんなん言うんじゃったら、観んでエエッ!」ってキレられそうで怖くてさ。

 ボクはと言うと、たまたま深夜につけたテレビで、たまたま放映してたアニメを途中から観て、よく分からないまま放置してたら、ずいぶん経ってまたしてもたまたま深夜にテレビつけて、たまたま放映してたアニメをまたしても途中から観て、よく分からないけど「噂のアニメだね」って合点したんだけど、その2回が、たまたま第1話と最終話だったという凄い切り取り方で遭遇してて、よく分からんけど今度劇場版上映するってことで、駆け足で友だちにレクチャー受けて、「なんだ。ヴァンパイアのお話か」って言ったら小馬鹿にされて、「人殺してステージが上がるのって、グロンギやん」って言ったらスルーされて、その程度の薄っぺら〜な知識で劇場に臨んだ次第であります。


 キレイな仕上がりのアニメだったし、音も凄かったし、戦闘シーンも凄まじかったし……確かに満足したんだけど、アカンね。観るタイミングが悪かったかも。もっと周囲で話題になる前に観ておくべきだった。いっそ出遅れたんだから、みんなの興味が薄れたころに、こっそりと観れば良かった。そうしたら、他人の評価みたいなバイアスかけられずに、純粋に楽しめたような気がするのね。

 たぶん、だけど。みんな煉獄杏寿郎のことをいっぱい持ち上げて、いっぱい褒めちぎって欲しいんだろうな、って気がしてる。いや、確かにそれは分かるんだけど、まともに観るのが本作が初めてのオッサンにとっては、キャラへの思い入れが全くないのよ。展開的に、「最後はなるべくしてなる結果が待ち受けてるよな」って分かってて、泣き虫のオッサンが泣けない事実をそっとしておいてほしい^^;――てなもんでさ。

 ずいぶんと昔の話で恐縮だけど、かつて少年ジャンプで連載してた車田正美先生の〝リングにかけろ〟を初めて読んだとき、志那虎のフィニッシュブロー〝ローリングサンダー〟が炸裂するシーンがあったんだけど、それ見て、な~んも感慨が湧かんかったのを思い出したね。その後ずっと連載を追い続けていくうちに、必殺のフィニッシュブローが炸裂するたび、胸アツで涙ぼろぼろこぼしながら感動しまくるようになっていったワケで、そうした下地もなしに観たら、やっぱり感動も半減するんかもなぁ。

 そういう意味では、こういう漫画原作の劇場版映画単体では、十分に作品の魅力を堪能できないんだろうね。
 ハマる人は事前にハマって原作漫画やテレビ版アニメをHuluとかでチェックして、感動体質が十分熟成してから劇場に足を運んでるでしょうし、逆に劇場からハマって原作やテレビアニメ、さらに劇場版リピートという〝無限列車〟状態になっていくんだろーな、なんて思いました。

 因みに、ボクが一番ココロ震わせられたシーンは、目覚める気配の全く無かった善逸が、雷撃一閃、禰󠄀豆子の元に駆けつけたトコ(^^)v 虚を突かれて、思わずドバッと涙があふれるほど、感動してしまいました。カッケー!


●監督:外崎春雄 ●原作:吾峠呼世晴(コミック『鬼滅の刃』/集英社ジャンプコミックス刊) ●アニメーション制作・脚本:ufotable