一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

劇場版 マジンガーZ/INFINITY

私的評価★★★★☆☆☆☆☆☆

マジンガーZ / INFINITY 初回限定生産版 [Blu-ray]


 (2018日本)

原点にして頂点。伝説のアニメが今に甦る

 かつて世界征服を目論む悪の天才科学者Dr.ヘル(声:石塚運昇さん)によって滅亡の危機に瀕した人類。しかし“鉄(くろがね)の城”と呼ばれたスーパーロボットマジンガーZ”を操る兜甲児(声:森久保祥太郎さん)とその仲間の活躍により、平和な時を取り戻していた。

 そして世紀の戦いから10年―。

 パイロットを離れ科学者となっていた兜甲児はある日、富士山地中に埋まった超巨大遺跡インフィニティと、そこから現れた謎の生命体リサ(声:上坂すみれさん)に遭遇する。そして、時を同じくして謎の復活を遂げたDr.ヘル。彼は無限の可能性を秘めるインフィニティで、かつての野望を完遂しようとしていた。

 有史以来最大の危機、絶体絶命の状況の中、伝説のパイロットがマジンガーZと共に再び立ち上がる。

(映画『劇場版 マジンガーZ/INFINITY』公式サイト「STORY」より引用)
www.mazinger-z.jp


 とりあえず、キャラクターデザインが好みじゃない。
 子ども時代に夢中になったテレビアニメの『原点にして頂点』と言いながら、キャラクターの顔つきが子ども向けとは思えないアダルトな感じになっていたことに、凄い違和感を覚えた。男性キャラは劇画っぽくてけっこうキツめ、女性キャラは他のキャラクターとのバランスを考えても目の大きさが尋常ならぬ大きさと感じた。あの目の大きさで表情が動くと、ときどき「なんじゃこりゃ?」的に顔の中で微妙な破綻が生じ、イヤな気持ちにさせられる。

 ストーリーは…正直言って、目新しさが全くない。原点回帰だから古めかしいとも言えるし、ただ子ども向けテレビアニメの時代よりは、現代的な物理学なんかの小理屈を織り込んでいて、その辺がかえって面倒臭い気がした。
 〝可能性の世界〟みたいなハナシ、子どもには……いや、子どもはアタマが柔らかいからかえって簡単に受け入れてしまうのかな? むしろフツーの大人にとって、「小難しい理屈こねやがって…」みたいな反感買わないのかな? いずれにしても、その辺の脚本も映像も演出も、ちょっと分かりづらいと思った。


 水木一郎さん、声出なくなったなぁ。
 収録したのは70歳くらいの時なのかな?
 たぶん、息が続かないんだろうな。高齢のベテラン歌手が、ブレスができなくて、譜面どおりに歌えず、妙にもたついた歌い方になっているのと同じように思えた。演歌やムーディー歌謡なら、それが味わいと感じる方もいらっしゃるからイイんだろうけど、アニソンは、キレがないとなぁ。
 おまけに、せっかくテレビアニメの主題歌を新録したのに、イントロに高揚感が感じられなかった。まちがいなく、テレビ版マジンガーZの主題歌は、きらびやかなブラスにつづく腹にこたえるバスドラムのシーケンスで、一気にハートに火をつける馬鹿力があった。正直、腑抜けに感じて寂しかった。



 なんとも、寂しい限り。シナリオ的には、兜甲児とボス(声:高木渉さん)の変わらぬ友情とか、グッと胸に迫るエピソードもあったんだけど、総じて、なんか知らんが、残念としか言いようが無かった。


●監督:志水淳児 ●脚本:小沢高広 ●キャラクターデザイン:飯島弘也 ●メカニックデザイン柳瀬敬之 ●音楽:渡辺俊幸 ●アニメーション制作:東映アニメーション ●原作:永井豪