一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

超・少年探偵団NEO -Beginning-

私的評価★★★★★★☆☆☆☆

超・少年探偵団NEO‐Beginning‐ [DVD]

 (2019日本)

怪人二十面相が姿を消して10年―。ついに、宿命の扉が開かれた!

 初代小林少年のひ孫・小林芳狼(高杉真宙さん)は、親友のワタリ(佐野岳さん)、そして幼馴染にして明智小五郎のひ孫である明智小夜(堀田真由さん)とともに、ごく平凡な高校生活を送っていた。
 そんなある日、芳狼の前に10年ぶりに怪人二十面相が姿を現す。
 二十面相は「約束の時は近い」とだけ言い残し去って行く。果たして二十面相の言う「約束」の真意とは…?
 同じ頃、学園には次々と怪事件が起こり、ミステリー同好会メンバーであるクロサキ(長村航希さん)、夢野正太郎(板垣瑞生さん)、塚原舜(前田旺志郎さん)は事件の謎解きにのめり込んでいく。
 芳狼は、10年前のある出来事をきっかけに封印していた怪人二十面相との記憶を徐々に思い出し、自らの秘められた能力や宿命と向き合い始めるが、怪人二十面相に引き寄せられていく芳狼を心配するワタリや小夜との関係には不穏な空気が漂い始める…。 果たして、芳狼たちを待ち受ける運命とは!?
 全ての謎が絡み合い、答えが見つかるとき、今こそあの『少年探偵団』が復活する!
 その名も『超・少年探偵団NEO』!!

(映画『超・少年探偵団NEO -Beginning-』公式サイト「STORY」より引用)
sbd-neo.com


 微妙だなあ……ボクが期待してるところと、ちょっと違うんだよなぁ……。

 ボクが見たかったのは、あたかも3世代前からずっと存在し続けているかのように描かれるオカルト的存在の〝怪人二十面相〟との対決じゃなく、明智家、小林家と同じように代替わりしても怪人二十面相として生き続ける天才的犯罪者一族との対決という構図だったのよ。

 でも、安直に、あたかも〝人智を超越したような存在〟として、二十面相は描かれていた──少なくとも、ボクの目には、そう映った。

 明智探偵や小林少年たちと同時代に生きる〝怪人二十面相〟だからこそ、彼がどんなに不可思議なマジックを見せつけてきたとしても、「もしかしたらそんな凄い怪盗、実在するかも」と肯定的に受け止められるワケで、時代を超越してしまったら、もはやオカルトかファンタジーでしかなくなってしまうと思うんだよね。

 芳狼の夢の中にたびたび二十面相が出てきて、芳狼と会話する演出も非現実的だし、なんか、そこら辺の描かれ方が、作品の根幹を成す肝でもあったにもかかわらず、ちょいちょいボクの中で消化不良を起こしかけてて、どうにも期待を裏切られた印象だったんだよなぁ。

 とは言え、見どころが無いというほど酷い作品でもなくて、特に高校生たちの周りで起こるいくつかの事件とその探偵のくだりなどは、とても良かったと思うし、高校生探偵を演じている高杉真宙さん、長村航希さん、板垣瑞生さん、前田旺志郎さんらのキャラも立っていて、雰囲気は上々だったと思ったのよ。

 そんな感じだったので、トータル的には、どうにも惜しい作品、そんな印象になっちゃったなぁ。

●監督:芦塚慎太郎 ●脚本:赤尾でこ、芦塚慎太郎 ●原案:江戸川乱歩(小説『少年探偵団』シリーズ) ●音楽:丸山漠(a crowd of rebellion) ●主題歌:a crowd of rebellion『Calling』(Warner Music Japan Inc.)