一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

錆びた鎖

私的評価★★★★★★☆☆☆☆

錆びた鎖
錆びた鎖 [DVD]

 (1960日本)

 赤木圭一郎さんの作品です。街並みなどの風景が好き、走ってる車のデザインが好き、登場してくる俳優や女優の衣装や立ち居振る舞いが好き、ストーリーが好き、と、基本的に昔の日本映画は大好きです。


 横浜港の荷役を扱っている長岡康三郎(小沢栄太郎さん)には健一(小高雄二さん)と英二(赤木圭一郎さん)という息子がいました。健一が罠にかかって2,000万円の手形を奪われ、翌日、康三郎は電話で呼び出された料亭で、手形をめぐる談合中に毒を盛られ死んでしまいます。康三郎の葬儀後、健一が新社長に納まりますが、水原(大坂志郎さん)という金融業者がパクられた手形をネタに会社に乗り込み、強引に専務に就任してしまいました。以後水原が健一を押しのけて会社を牛耳り、港湾の現場で働く沖仲仕たちの労働条件が極端に悪化、仲間のひとりが過労のため梯子から転落死したのをきっかけに怒りが爆発、健一と英二は水原を追い出そうとします。しかし、それには2,000万円の金が必要です。その金を調達するために起こした健一の行動が元で、健一と英二は殴り合いの喧嘩をしてしまいます。家を飛び出した英二は、沖仲仕の寝屋に泊り込みながら、港湾でともに働き始めます。ある夜、暴漢に襲われた英二は、暴漢たちが手形事件に関係があるとにらんで、風太郎の平太(西村晃さん)たちと追求をします。やがて事件の真相が見えてきて、最後には黒幕の悪事が暴かれ…。


 健一と英二の兄弟喧嘩の原因は、健一の許婚者の冬木美枝(笹森礼子さん)をめぐる恋の鞘当てです。喧嘩が元で英二は家を飛び出しますが、その理由は映画で確認してください。

 95分という短い作品ながら、ストーリー展開もスリリングでおもしろいと思います。健一や英二をめぐる人間関係がドロドロしていそうなんですが、短いせいであっさりと流されている気がします。その点が物足りないと感じる人もいるかもしれませんが、基本的に「さわやか」なんですよね。昼メロのノリではありません。ボク的には、拳銃を持たない赤木圭一郎さんが、ちょっと新鮮でした。

●監督:斎藤武市