一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

溺れる魚

私的評価★★★★★☆☆☆☆☆

溺れる魚
溺れる魚 [DVD]

 (2001日本)

 “エースの錠”こと宍戸錠さんに心酔している白州警部補(椎名桔平さん)は、事件現場で銃撃戦を偽装し、現場にあった現金を着服しようとしていたところを同僚に取り押さえられます。また、女装癖のある秋吉巡査(窪塚洋介)は、制服の盗難事件の容疑者として連行されます。ふたりを待ち受けていたのは、警察内部の犯罪を取り締まる特別監察官室の相川警部(仲間由紀恵さん)。彼女は、特別監察官室長の御代田警視正渡辺謙さん)の命を受け、ふたりに警視庁公安部の石巻警部(伊武雅刀さん)の動向を内偵するよう命じます。そんな折、石巻と幹部社員の癒着が疑われている大手フィルムメーカーのダイトーに“溺れる魚”と名乗る者からEメールで脅迫状が送られて来ました。


 戸梶圭太さんの同名小説の映画化。ここまであらすじを書いて、まったく事件の本質が見えてこないところが本作のストーリーのおもしろさかも知れません。おもしろいストーリーなんだけど…指飛ばすな!血出すぎ!人死にすぎ!…堤幸彦監督の映像は、過激すぎます。それと、堤組独特の鬱陶しい映像処理…例えば、カメラわざとぶれさす、走ったり格闘したりするシーンで秒刻みでカメラを切り替える…年取るとキツイなぁ、こういうの…視神経直撃の痛み感じます。ま、カメラ切り替えの落ち着きのなさは、昨今の日本のテレビで当たり前になってる手法なんだけどねぇ…。

 堤作品としては、ケイゾク、トリックなんかで使った映像手法とキャストの集大成みたいな印象…でも、なんかねぇ…笑いにくいですよ。ブラックすぎて、ディープすぎて…モーヲタ、秋葉系アイドルみたいなのがいるクラブ、女装趣味、ゲイ、匂いフェチ、中国マフィア、ヤクザ、警察や大企業の暗部…題材がアンダーワールドのお話のようで、あまりかかわりになりたくないってゆーか、描き方に毒があるってゆーか…。とりあえず、子どもには見せられんでしょう…PG12とかなってないんかなぁ…?

 出演者について。IZAMさん、役どころのせいか、本人の芸風か、とにかく気色悪いです。渡辺謙さん、こういう役(どーゆー役かは本編を見てください。)もこなせるところが好きです。仲間由紀恵さん、ヤセの大食いキャラで、豪快なゲップには恐れ入ります。この人がキレイなお姉さんで、いいんですか?

●監督:堤幸彦 ●原作:戸梶圭太(小説「溺れる魚」)