一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

トリック 劇場版2

私的評価★★★★☆☆☆☆☆☆

トリック -劇場版2- 超完全版 [DVD]

 (2006日本)

 自称売れっ子天才奇術師の山田奈緒子仲間由紀恵さん)と、自称天才物理学者で日本科学技術大学教授の上田次郎阿部寛さん)のふたりは、青沼(平岡祐太さん)という青年の依頼で、行方不明になった幼なじみの美沙子(堀北真希さん)を探して、霊能力者・筺神佐和子(片平なぎささん)が住む「筺神(はこがみ)島」へと向かいました。


 う〜む、あらすじもカンタンに書いてしまえば、ここまでだな。もう、ストーリー的にも、トリックのネタ的にも、ギャグの小ネタさえも、テレビシリーズ(3シリーズ&新作スペシャル)と劇場版前作をひっくるめた「集大成」…と言えば聞こえはいいが、実際はもう過去の設定をなぞって見せるだけで、何ひとつ目新しさを感じないという印象の、「駄作」でした。

 堤監督、もうトリックはエエでしょう。十分、やりきったでしょう。テレビシリーズの第3シーズンでも思ったのですが、霊能力者の起こす超常現象に対するネタ明かしが、どんどん早まる&あっさり解き明かされる傾向は本作でも感じられ、もはやトリックシリーズ本来が持ち合わせていた「謎解きの面白さ」はどっかに失せて、奈緒子と上田とその仲間たちのコントを見せられているだけ、という印象は否めません。それも、ほとんど先読み可能となった今、もう本編よりも特典ディスクの「やむ落ち(=やむをえずカットされたシーン)」を楽しむしかなくなっている気さえしてきています。

 この映画、堀北真希さんが出演されていますが、ムチャクチャ影薄い役回りでした。一方で、片平なぎささんの方は、知る人ぞ知る「スチュワーデス物語」の手袋ネタを何度か織り交ぜており、ついついニヤッとさせられました。ユートピアさんの登場なども含め、小ネタとしては堤監督の世代以上しか分からないものが多く、若い人にどう映ったのか、ちょっと気になりました。

 CGが…これも、もうイタチの最後っ屁じゃないけど、どーせ最後なんだからみたいなノリで、かなり乱暴な使い方をしていたように感じました。上田の格闘シーンが毎回エスカレートしてるな、とは思ってたんですが、今回はバリバリにワイヤーで吊りまくった上に、しょーもないCGを最後の方でかましてて、ちょっとあっけに取られました。あぁ、そう言えば、冒頭の方で大家のハルさん(大島蓉子さん)の顔が、マンガちっくにデッカくなるシーンがCGで作られてて、すでにその時点で「何じゃこりゃ!?」な予感はありましたねぇ…。

 ストーリーも、今回はほとんど捻りがなく、最後にどんでん返しみたいなオチもなく、「ま、なんか終わったな」みたいな印象しか残りませんでした。星4つでも多いかな?

●監督:堤幸彦 ●脚本:蒔田光治