一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦

私的評価★★★★★★★☆☆☆

映画 ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦 <同時収録>ウルトラマンM78劇場 Love&Peace [DVD]

 (1999日本)

「ボクの守った未来…」

 小中和哉監督作品が続きます。

 “ウルトラマンガイア”は、1998年〜1999年にかけて放送された、平成ウルトラマン3部作の第3シリーズで、この映画は、そのシリーズの外伝的作品です。テレビシリーズとはまったく異なる、いわゆるパラレルワールドの世界の話で、その世界では現実世界と同じくテレビシリーズ“ウルトラマンガイア”を子どもたちが楽しんでいて、願いを叶えてくれる不思議な赤い球の力を借りた新星勉少年(濱田岳くん)が、ガイア=高山我夢(吉岡毅志さん)を呼び出してしまうという設定です。


 夜中にガイアのビデオを見ていた勉は、突然画面に現れた謎の光の奥に、赤い球と廃墟に佇む悲しそうな表情を浮かべた少女の姿を見つけました。翌日、転校生・七瀬リサ(斉藤麻衣さん)の姿を見て、勉は驚きました。夕べ見た廃墟の少女にそっくりだったからです。勉は隠れ家の倉庫で赤い球とも遭遇し、リサに促されるまま、「ホンモノの我夢に会いたい」と球に願うと、空から我夢の操縦するファイターEXが現れました。そして、赤い球はいたずらっ子の少年たちの手に渡り、少年たちの作った粘土細工が凶悪な怪獣として実体化してしまいました。


 人間の欲望を飲み込んで大きくなる赤い球、そして、欲望の果てに破滅していったいくつもの文明の記憶。子どもたちが生み出してしまった怪獣たちと3人のウルトラマンたちの戦いが終わって、壊れてしまった校舎の前で勉は理解しました。「これ以上この球の力に頼ったら、ボクたちいつか、この世界を滅ぼすよ。こんな球、あっちゃあイケないんだ。」しかし、赤い球とリサは、実は一身同体なのでした。赤い球が消えれば、リサも消えてしまいます。勉は苦渋の選択をし、赤い球に最後のお願いをしました…。

 ジュヴナイルですが、分かりやすくて、いいお話です。「なんでもすぐ諦めるの、よくないよ」というリサのセリフ、勉が勇気を持って怪獣退治のために立ち向かう姿に、子どもたちの成長を織り込んで見せる長谷川圭一さんの脚本がいいと思います。勉の「ボクの守った未来…」という最後のセリフには、ほろりとさせられます。

 濱田岳くんは、“白い船”ではもう思春期を迎えた年頃だったし、金八先生の第7シリーズにも登場していたそうですから、この作品を見ると幼いなぁと思います。斉藤麻衣さんも、映画は本作がデビュー作らしいのですが、幼いですよ。ふたりとも当時11歳ですもんねぇ。かわいいかわいい…^o^)

 同時上映の“ウルトラマンM78劇場”が併録されています。アニメですが、デフォルメされた2頭身キャラのウルトラ・ファミリー&怪獣・宇宙人たちが、ほのぼのしてていい感じです。

●監督:小中和哉 ●脚本:長谷川圭一 ●特技監督小中和哉