一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

ウルトラマンマックス 1

私的評価★★★★★★☆☆☆☆

ウルトラマンマックス 1 [DVD]

 (2005日本)

 2005年は仮面ライダーウルトラマンも“原点回帰”がキーワードだったそうです。仮面ライダーは、オリジナル・ライダーの劇場版が製作されたんですか? 観てないんでよく知らないんですけど。

 今年のウルトラマンは“マックス”という名前で、平成ウルトラマンでは初めての、久々にM78星雲からきたウルトラマンという設定になってます。また原点回帰と併せて、ウルトラセブンに登場したエレキングやキングジョー、初代ウルトラマンに登場したピグモンレッドキングゼットンといった人気怪獣がリニューアルされて再登場します。これは子どもと一緒に観る、40代くらいのお父さんウケを狙ったモノでしょう。実際、知っている怪獣が出てくると、嬉しくなります。最近のウルトラマンの怪獣は、なかなかお馴染みになれないモンで…(子どもが見るような雑誌で予習復習しなければ、覚えられないのは当たり前です。それが大人というものですから…)。

 ストーリーは初代ウルトラマン的な子どもに親しみやすい路線で、基本的に1話完結という構成です。前作の“ネクサス”が相当アダルトな雰囲気だったので、その反動だという話も聞きますが、ネクサスはDVDで観始めたばかりなので、まだ評価不能です。

 初代ウルトラマンの第1話を踏襲している第1話は、前半で我が身の危険を顧みず、子どもを助けるため怪獣に立ち向かう勇敢な青年トウマ・カイトの登場に時間を割きすぎたのか、赤い火球と遭遇し変身アイテムをもらうエピソードや、助けてくれたウルトラマンのことを「彼が助けてくれた、彼が、彼が…」と繰り返すうちに光の巨人に名前をつけるエピソードなどが、終わりの方にグッと詰まってしまった印象を受けました。地球防衛連合UDFや対怪獣防衛チームDASHの登場にも触れないといけないので、けっこう後半慌しく駆け足で終わった感じですね。ちょっとハマリにくいかも…。

 マックスの造形は…正直なところ、愕然としました。ウルトラセブンをパクっているワケですが、ウルトラセブンをこよなく愛する一部のマニアな方には、掟破りの造形なんじゃないですかね? セブンのパクリだけは、やって欲しくなかったかと…ま、観慣れてくると、どうでもよくなっちゃうんですけどね。ボクなんか、テレビシリーズとオリジナルビデオシリーズでセブンの顔が違うって言われても、ピンと来ない程度のファンですから。

 第2話のエレキングの話は、けっこうおもしろかったです。第2回になってシリーズが始まっちゃうと、特に説明しなくても見る側が勝手に理解してくれるドラマの設定などが続々と増えて来ますから、あとは各エピソードを楽しむだけということになりますよね。しかし、エリーが人間じゃないという説明は、第1回でもあまり明快に取り上げられてなかったよなぁ。ロボットが人間社会に混じって仕事をしているのが、当たり前の世界観なワケですか? おたくのお子様たちは、そのへん、どのように理解してらっしゃいます? あんまり気にしてないかぁ…。

 ところで、金子修介監督が第1話・第2話を撮ってるワケですが、あんまりお子様向けの作品は撮らない方がいいのかなぁ…それほど監督の良さが感じられないんですよねぇ。ま、言うほどボクも金子監督の作品を見ているワケじゃないですけど、子ども向けならもっとハジケてハチャメチャな展開になる作品の方が、悪ノリしやすい金子監督には向いているんじゃないかと、勝手に思っています。このあともシリーズ撮るみたいですから、ちょっと様子見で…。

●監督:金子修介 ●特技監督鈴木健二 ●脚本:梶研吾小林雄次