一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル

私的評価★★★★★★★★☆☆

映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル [DVD]

 (2000日本)

 ぐぉおおおおおおおっ!やられた!

 アニメはほとんど見ないことにしてるんだけど、たまたま始まったのをぼんやり見てたら、完璧に引き込まれて最後まで見てしまったのです。いや、完成度高いぞ、クレヨンしんちゃん。ヘタなハリウッド映画より脚本練れてるし、伏線で何気なく見せている小道具やら施設やらをキッチリあとで効果的に使って見せるあたり、思わずうなってしまいました。あまりにおバカなテレビシリーズに比べて、おバカ加減と練れたストーリー展開がうまくマッチしていて、侮れません。今日はWOWOW2で夕方から深夜までぶっ続けで放送してるみたいです。


 野原一家は愛犬シロとともに、映画“アクション仮面”の最新作を記念した豪華客船ツアーのプレミアム試写会に参加していました。ところが、船上試写会の途中で突然現れた謎のサル軍団に船はジャックされ、アクション仮面と大人たちが根こそぎさらわれてしまったのです。しんのすけは風間くん、ネネちゃん、マサオくん、ボーちゃんとカスカベ防衛隊を結成し、大人たちを探して南の島に上陸しました。南の島で待っていたのはサル軍団を束ねるアフロヘアーの爆弾男、パラダイスキングです。パラダイスキングは豪華客船を改造した秘密基地で大人たちを働かせ、逆らったものたちはロッカーの牢屋に閉じ込めていました。パラダイスキングは自らの名声を世に知らしめるため、しんのすけを除くカスカベ防衛隊の4人を人質にして、アクション仮面に対戦することを要求し、ふたりの対決が始まりました。


 幼稚園児の5人が大人たちを助けに島へ出かけるという展開、それ以上に笑ったのが、しんのすけの妹で乳児のひまわりがシロを連れて5人を追いかけるという、ありえない展開はアニメならではです。しかし、その妹が合流して、空腹の5人に哺乳瓶を回し飲みさせるシーンはほろりときます。パラダイスキングの設定は、バカバカしいほどステレオタイプの独裁者なんですが、ギャグ漫画とは思えないほどクールに描いているので、悪者としてのキャラがしっかり立っています。後半のアクションシーンもよくこなれていて、爆笑小ネタ(しんちゃんですからお下劣ネタですけどね)をちりばめながらも、映像的にも演出的にもハラハラドキドキのスピード感満点です。007シリーズよりいいかも…^^;)

 これもう8本目の映画なんですね。驚きました。昔何気に喫茶店で読んだ“漫画アクション”(くらいしか読める雑誌がなかったんですね。普段なら立ち読みすらしません)に掲載されていた下品なマンガが、そのすぐあとにこんなにも爆発的な人気アニメになってしまうとは、予想だにしませんでした。だって、掲載雑誌が少年誌じゃなかったんですもん。

●監督:原恵一 ●原作:臼井儀人(コミック「クレヨンしんちゃん」)