ルパン三世バビロンの黄金伝説

私的評価★★★★★★★☆☆☆

　（1985日本）

　大野雄三さんの音楽つながりで。

　バビロンの黄金伝説にとりつかれたニューヨーク・マフィアのマルチアーノ一味ととルパン三世たちのお宝争奪戦。まるで5000年も生きてきたかのように生い立ちを話す謎のロゼッタばあさんが、ルパンの周りに幾度となく出没し、バビロンのお宝のありかを示唆すると、お馴染み銭形警部は、5人の美女警官を部下に従え、ルパン逮捕に闘志を燃やす、雰囲気は、007とインディ・ジョーンズ、ストーリーはファンタジー仕立てで、ルパン三世は何でもありなんだな、と感じさせられる映画です。

　冒頭の銭形とルパンのバイク追走劇、中盤のハデな列車襲撃シーン、アクション映画としての見どころもしっかり押さえてあり、また、バビロンの黄金伝説の謎解き、ロゼッタばあさんの正体など、ミステリー仕立ての部分もあって、100分間飽きさせません。

　絵柄は、最近のしっかり細部まで詰めたアニメと違って、ややざっくりと仕上げた感じがワイルドで、かえってルパンらしいという気がします。けっこう顔なんか、平気で斜めに歪んでたりしますけどね…^^;)

　もともとアニメはほとんど見ない、と繰り返し書いてるんですが、本作を購入したのは、声優として特別出演し、主題歌を歌っている河合奈保子さんのせいです。主題歌の“MANHATTAN JOKE”は“デビュー”という曲とのカップリングで、河合奈保子さんの唯一のオリコン1位獲得シングルとなりました。大野雄二さんの作曲で、オープニングとエンディングに使用されていますが、なかなかカッコいい曲です。奈保子さんのヴォーカルも作品にマッチしていて、すてきでした。ただ、声優・河合奈保子は、ちょっと惜しかったですね。ほかの出演者の方に比べて、かなりの早口のため、作品の中では少々浮き気味でした。辛うじて破綻はしてなかったですけどね。ま、彼女の話し声は、歌を歌っているときに比べてちょっと鼻声気味なので、あんまり聞き取りやすいタイプではない気がします。そこが魅力的でもあったのですが…^^;)　芸能生活は長期休止中ということになってるみたいなんですけど、いっそ山口百恵さんみたいに、きっぱり引退にしてもらった方が、彼女のためにもいいのではないかと、最近思い始めました。彼女には芸能生活よりも、自分の子どもたちのためにピアノを弾いて、一緒に歌を歌っている方が似合っている気がするんです。もちろん、彼女の作曲、歌唱で新作を聴きたいという願望も、一方では強く持っているのですがね…。

●監督：鈴木清順／吉田しげつぐ