一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

RED SHADOW 赤影

私的評価★★★☆☆☆☆☆☆☆

RED SHADOW 赤影
RED SHADOW 赤影 [DVD]

 (2001日本)

 1545年、乱世の時代に影と呼ばれる忍者の一族がありました。頭領の白影(竹中直人さん)、赤影(安藤政信さん)、青影(村上淳さん)、飛鳥(麻生久美子さん)の4人は戦国大名・東郷秀信(津川雅彦さん)に遣えていました。ある日、東郷の命で京極兼光(神山繁さん)の秘密兵器を探ることになった赤影・青影・飛鳥の3人は、忍び込んだ京極の城で根来忍者の一味に襲われます。そして、激しい戦いの末、防具を失っていた飛鳥が、命を落としてしまいました。飛鳥の死に直面した青影は、ショックで抜け忍となり、赤影の元を去ります。忍びの掟で結ばれえない赤影と飛鳥でしたが、実は青影も飛鳥に心を寄せていたのです。一方、病の床に伏していた京極兼光がついに亡くなってしまい、孫の琴姫(奥菜恵さん)が跡を継ぐことになりましたが、京極の家中では、密かに謀反の動きが進んでおり、琴姫の命が狙われていました。東郷の命で琴姫の命を奪うため京極の城に忍び込んだ赤影は、任務を全うすることに迷っているうち、琴姫が根来忍者に襲われるところに出くわし、琴姫を助けてしまいます。主君の命に背いた赤影は、琴姫のため謀反の首謀者・竹之内基章(陣内孝則さん)を倒しに向かいました。


 あらすじ書いたら、まともな映画ですよね。ちょっとね。あざといね。笑いをとろうとしたシーンが多すぎたんですよ。特に3人揃って任務を遂行しているとき、妙に空気が緩くて、その緩さがかなり浮いてて、しかもかなりしつこくて、なんだか腹立ちさえ覚えるという、非常にいただけない前半だったのです。ちょっとね。スベッてるよね。遊びすぎたよね。反省して欲しいよね。なんか、前半30分〜40分くらいだけ見てたら、「金返せ!」って叫びたくなるほど、退屈でしたよ。クスリとも笑えないんだもの。その辺端折ったら、本格的忍者映画として、60分くらいにまとまってまうんじゃないかと、そんな風にも思ってしまいましたが、“東映創立50周年記念作品”の冠が付いてしまっているため、60分じゃイケなかったのかしらん?

 音楽はすっごくカッコよかったです。最初から最後まで。中野裕之監督は、ミュージック・クリップがお得意なんですってね。どんなの撮られたのか知りませんけど、雰囲気感じられるシーンもいくつかありました。映像的にも全然時代劇っぽくなく、特撮アクション映画を狙ったと思われるカットがふんだんにあり、それはそれで満足したんですけど。やっぱ、前半の緩さで、けっこう失点してるよね。たぶん、ガチガチに本格を狙った作品を作ってしまうことに、照れみたいなのがあるんじゃないかと思います。勝手な思い込みですけど…^^;)

 往年の“仮面の忍者・赤影”を劇場で見ていたオールド・ファンとしては、採点は辛いです。2回目を見ようとあんまり思わなかったモンで…。唯一、白影役の竹中直人さんが、ちょっと牧冬吉さんに似てるかな、と思わせておいて、しっかり凧に乗って空から仕掛けるシーンがあったのが、一瞬だったけど、懐かしかったかな、って感じ。

●監督:中野裕之