一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

青い車

私的評価★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

青い車 プレミアム・エディション [DVD]

 (2004日本)

 ダメ。この作品のあらすじは、アホウなボクには書けません。なので、書きません。じゃあんまりなので、ひとことふたこと。自傷癖のある男が恋人の妹と寝て、恋人が突然事故死して、ふたりして出口の見えないブルーに浸る、そんな雰囲気です。やっぱり書かなきゃよかったか。

 役者さんはすばらしい方が揃ってたんですけどね。特に宮﨑あおいさんの演技は初見でしたが、若いのにうまいなぁと感心しました。ま、ARATAさんは微妙に素人でしたが、役柄的にはあんな気怠さがちょうどよかったのかもしれませんから、OKかと。

 それにしても、見るべきところのない映画ですなぁ。映像?さぁ、これ映画なの?テレビドラマと違うの?というくらい安っぽい感じ。とゆーか、なんか画面が平板なイメージで、ほんまこだわりのない感じがしてかんのですわ。ま、唯一ドキッとしたのは、麻生久美子さんの死亡事故直後の死体のシーンかな。

 ストーリー? クソです。なんか、他人のう○こ見せつけられてるような気まずさプンプン。端折りすぎてて、リチオ(ARATAさん)が心に抱えている孤独感の理由が、まったく見えてこないし、むしろ、中途半端に過去を見せない方がかえってスッキリしてんじゃないかと。理由を曖昧に見せようとすることで、見る側はフラストレーションたまってしまいます。孤独の理由なんて、説明不要ですよね。そんなよく分からない孤独抱えているヤツなんか、世の中ごまんとありふれてんだから。

 DVDのパッケージに「切なさが胸に突き刺さる珠玉のラブストーリー」て売り文句が書いてありますが、ま、切ないっちゃ切ないんだけど、そりゃ自業自得だろ、って冷めてしまいますよ。なんで偶然出会った恋人の妹(宮﨑あおいさん)といきなりキスする展開になるの? そりゃ妹の方は熱上げちゃうの分かるよ。高校生だし。まだ世間狭いだろうし。でもね。リチオの方は、最後まで本気で誰かを愛せるのかどうか、ワケ分からん雰囲気かもしてんのよ。それで「心配すんな…オレがなんとかするから」って、どのツラ下げて?って、同性のモテナイおいらはイラつきましたよ。このへんが、他人の排泄物たるゆえんかな? ハッキリ言って、そんなヤツ、世の中には掃いて捨てるほどいると思うワケで、わざわざ映画で見せてもらうほどのシチュエーションとは思えないんだよな。

 正直なところ、見る価値ありません。二度と見ません。テレビ放映あっても見ません。最低だけど、宮﨑あおいさんの演技に星ひとつだけサービス。

 余談です。タイトルの“青い車”には、ちょっとした思い出があります。スピッツに同名の曲があるのですが、ちょっと昔、当時好きだったコに、カラオケでリクエストされたんですけど、そのとき歌えなかったんです。その当時、彼女は別の男が好きで、その男は彼女のことを好きとも嫌いともいえないどっちつかずの感じでフラレていたようなんです。ボクは彼女に告白したんですが、どうしてもその男のことが好きだからと言って断られました。少ししてその男と彼女が付き合い始めたと聞いて、ま、しゃーないか、と思った矢先、彼女の恋は破れて、彼女はボクの手の届かない田舎に引っ込んでまったという、そんなタルいお話です。ほんま、余談でした。

●監督:奥原浩志 ●原作:よしもとよしとも(コミック「青い車」)