一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

新幹線大爆破 フランス公開版

私的評価★★★★★★☆☆☆☆

新幹線大爆破 フランス公開版
新幹線大爆破 海外版 [DVD]

 (1976日本)

 本邦版は152分の長尺ですが、本作は犯人側の回想シーンなどを大幅にカットした102分で、事件のジェットコースター的サスペンス度を重視した感じの再編集となっています。

 ですが、本邦版を見たことがあると、どことなく忙しないだけという感じもして、欧米人との嗜好の違いを感じてしまいますね。前方に故障車両が発生した件では、本邦版の方が描写が細かく、なぜATCが邪魔になってしまうのか、そしてその障害をどうやって回避して危機を乗り越えるのか、といった辺りをつぶさに見せながら、司令室と運転席との間で繰り広げられる緊迫したやり取りを手に汗握って見たのに、フランス版では最後にブレーキが解除できないシーンがカットされるなど、けっこうアッサリ気味でした。

 まぁ、決して悪いとも言えないですが、端折り過ぎという感じは否めません。

 あ、それから名古屋駅通過で妊婦が取り乱して叫ぶシーン、内容変わってましたね。「フィアンセが待ってるからどうしても名古屋で降りるの!」みたいな感じで駄々こねてましたが、本邦版では、仕事に忙しい夫が東京駅で見送り、夫の態度にフテた妊婦だけが新幹線で名古屋の実家に帰る、というような設定だったと思います。本作では妊婦ですらなくなってるのかもと思ったら、宇津井健さんがテレビで犯人に向かって呼びかけるシーンでは、母親が重体みたいなことを言っているようなので、一応妊婦だったのかな?

 DVDにはアメリカ公開版もあるんですが、まだ見てませんが、こちらも118分の短縮版です。本作と同じ傾向かもね。

 最後に、フランス語で喋る役者の方々に、すごく違和感覚えました。海外の方が日本のテレビで吹き替え映画を見たら、同じように感じてるんでしょうね。それから、フランス語吹き替えが、妙に感情の起伏がなくて、緊迫感に欠けるんです。これはお国柄なんですか?

●監督:佐藤純彌