一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

デビルマン

私的評価★★★☆☆☆☆☆☆☆

デビルマン [DVD]

 (2004日本)

 テレビアニメとして70年代前半に人気を博した永井豪さん原作のコミックの実写版映画化は、『キューティハニー』に続くモノです。

 原作は読んでないんですが、概ね原作のストーリーをなぞっているそうです。かなりハード・ヴァイオレンスな作品ですねぇ。PG-12指定みたいですけど、日本の規制ってこんなんでもPG-12でいいんですか? 親同伴でも小学生には見せたくないなぁ、と思える描写、ストーリーが中盤ギッチリ詰まってます。

 人間同士の疑心暗鬼が終末戦争にまで発展していく過程、けっこう駆け足な感もありますが、身近な世間で魔女狩りのごときデーモン狩りの名の下、人間同士が殺し合うエピソードは、二度と見たくない気分です。絶望的です。

 こういう映画の常というか、ガス抜きとでもいうのか、絶望的に荒廃してしまった大地にふたりの男女が手を取り合って立ち上がり、新たな希望の光を見出すかのごときエンディング、正直、なんとも言えないですね。「何だったんだ、結局」と、いう感じ。それはきっと、現実の戦争が終わったときに、人々が同様に思うことなんでしょうね。「何だったんだ、結局。何でこんなことになってしまったんだ。責任者、出て来ぉ〜い!」と叫んでみても、虚しいだけ。いや、むしろ、人間の愚かさを思い知らされ、災厄の終焉にもかかわらず、かえって絶望的な気分に浸ってしまいそうな雰囲気。やはり、この手の映画は、「嫌い」です。

 一応、特撮というジャンルにしてもいいんですが、ちょっと気分じゃないかな、と。心のないCG同士が激しい戦闘を繰り広げても、何も感動しませんので。なんだか、ストーリー的にも最後のバトルはどうでもよく思えてきて、その上悪魔の力を操るモノ同士のありえない戦いですから、何でもありのぐちゃぐちゃな戦闘になりかかってますから、もう、好きにしてって感じになってしまいました。造形的にも、実写版というから、もっと禍々しいリアルな(?)デビルマンを期待していたのに、一番カッコいい姿はフルCGアニメ丸出しの質感で、ガッカリしました。まぁ、キャシャーンほどコントラスト強調して見辛い画面にしてなかったので、その点でのフラストレーションはありませんでしたが…。

 まぁ、見応えはありましたよ、確かに。そういう意味では星8つくらいあげてもいいけど、でも、二度と見ません。ボクにとってはその価値がありません。なので、3つで勘弁願います。

●監督:那須博之 ●原作:永井豪(コミック「デビルマン」)