一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

ライフ オン ザ ロングボード

私的評価★★★★★★★★☆☆

ライフ オン ザ ロングボード
ライフ オン ザ ロングボード [DVD]

 (2005日本)

 で、オジサンは、ロングボードで渋く…こっちもビーチボーイズいっぱい、もちろんCATCH A WAVEも挿入歌入ってます。


 55歳、食品会社を早期退職した米倉一雄(大杉漣さん)は、膨大な時間を前に、途方にくれていました。妻(大塚良重さん)は3年前に亡くなり、長女(西村知美さん)は結婚して家を出ており、残った次女の優(大多月乃さん)も就職活動中ですれ違いの毎日。特に優とは妻の死以来、関係がギクシャクしたままでした。ある日、江ノ島の実家に父(奥村公延さん)を訪ねた一雄は、海岸で妻との思い出に浸るうち、妻が、ロングボードで悪戦苦闘していた学生時代の一雄のことを楽しそうに懐かしがっていたことを思い出します。実家からロングボードを発掘した一雄は、いつか妻と一緒に行こうと約束していた種子島ロングボードに乗ることを決意、優にその決意を伝えると単身種子島へと旅立ちました…。


 無趣味、携帯電話も持っていない、運転免許も取得していない、そんな中年のオヤジが、こともあろうにサーフィンを始めるという無謀な挑戦に旅立つという展開、面白かったです。ボクも早く退職して、第二の人生を始めたい…そろそろ人生設計し直すかなぁ…。

 メイキング見ましたが、大杉漣さん、53歳にして初めてサーフィンに挑戦して、一切吹き替えなしで撮影に臨んでいたんですね。サーフィンの練習シーンは、8割ドキュメンタリーだって、ご自分で言ってらっしゃいました。なので、後半で初めてボードの上に立てた瞬間の映像は、本気で喜んでいたものと思われます。スゴイ根性ですね。役者魂とでも言うのかな。感心、感激です。

 さすがに種子島の海は美しく、波もハンパじゃなくキツかったですね。そんな環境の中でサーフィンに打ち込み、それを支えてくれる種子島の仲間たちとの生活を続けていくうち、一雄はこのまま種子島で暮らそうと考え始めます。そんなころ、娘の優が東京からやって来て、しばらく一緒に過ごすことに…ふたりはゆっくりと流れる島の時間の中で、ギクシャクしていた関係を修復し始め、お互いの人生を考え直すきっかけを得ます。そして、一雄と優が出した答えは…。

 小倉久寛さんは、確かサーフィンが趣味で、江ノ島で別荘を造るとかいう深夜バラエティに出演していたと記憶してるんですが、残念ながらサーフィンをやめたという設定だったため、彼のサーフィンシーンは拝めませんでした。全然関係ない話ですが、ボク、小倉さんと体型が似ているので、とても親近感を覚えています。就職したばかりのころに好きだった女性からも、『小倉さんに雰囲気が似ている』 と言われたことがあったのですが、その恋は実りませんでした。あぁ、ホント関係なかったですね。

 さて、月日はほんの少し流れ、白髪の混じり始めた長髪を後ろで束ねた一雄は、携帯電話と運転免許を手にし、海を愛おしそうに眺めていました。彼の運転する軽トラのダッシュボードの上には、妻の写真が微笑んで…。 

 さすがに半日かけて3本映画を見ると疲れましたが、どれも面白かったです。

●監督・原作・脚本:喜多一郎