一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

ひぐらしのなく頃に

私的評価★★★★★★★☆☆☆

ひぐらしのなく頃に 劇場版 スタンダードエディション [DVD]

 (2007日本)

 昭和58年6月、東京から雛見沢村に引っ越してきたばかりの前原圭一(前田公輝さん)は、クラスメイトの園崎魅音飛鳥凛さん)や竜宮礼奈(松山愛里さん)とともに、「綿流し」の祭礼が行われる古手神社へ奉納舞を見に来ていた。その夜、村を訪れていたカメラマンの富竹(谷口賢志さん)が、タブーとされている祭具殿に忍び込むのを目撃した圭一は、同じく祭具殿に潜入していた診療所の看護師・鷹野三四川原亜矢子さん)と遭遇し、彼女から「毎年『綿流し』の夜、誰かが殺され、誰かが消える」事件が起きていて、村人たちが古手神社の祭神である「オヤシロさまの祟り」に違いないと噂していることを聞かされる。翌日、学校で大石という刑事(杉本哲太さん)に呼び出された圭一は、富竹がのどを掻き毟って絶命していたこと、そして三四の行方が分からなくなっていることを知らされた。


 同人ゲームから商業映画へ…。ゲームの方はコミケ発からネットで人気が爆発すると、コミック・小説・テレビアニメとメディアミックス展開し、ついには実写映画となった模様。2009年に続編が公開されることも、映画の公式サイトには発表されています。

 ゲームの方は、「出題編」として、昭和58年6月の事件が、終わりなき輪廻のごとくパラレルワールド的に4話編まれ、その後「ひぐらしのなく頃に解」という「解決編」が4話続くらしいです。

 この映画の位置づけは、出題編の1話に過ぎないようで、来年公開の続編も、パラレルワールドの出題編の1つとなるようです。

 つまり…問題提示ばかりで、謎は何一つ解決しないまま、本作は終わります。一応、単編作品としての終わりはありますので、「あぁ、なんか終わったみたい…」という感じはしましたが、謎だらけで困ってしまうのですね。

 何か、正答率1%の難問だとか。映画を見ても、そこかしこに伏線と思しきものがいっぱい転がってて、どう考えても正解には近づきそうもない感じですが、終盤の展開を見ると、「病んでいる」としか思えない節があるので、何かその辺が取っ掛かりかも。いずれにしてもゲームでも4話展開で出題が完了しているのだとしたら、映画で1話だけ見ても、情報は4分の1しか知らされていない感じでしょうか? なおさら分かりっこないのか?

 おもしろそうなんですが、雛見沢村という舞台自体に、非常に息苦しい閉塞感を感じるせいで、見ているうちに知らず知らずのうちに血圧が上がってしまいそうです。

 あ、ひとつだけどうしても許せないことが…登場する5人の少年少女の外見が、まったく昭和58年に見えません。つり上がった眉の感じ、どっか馴れ馴れしい笑い方、女子のスカートの丈とはき方などが、まるで今様です。特に女子の「コスプレのセーラー服」みたいな制服は、なんかアキバ系のアニメのキャラっぽくて、胡散臭いのです。たぶん、わざとそうしているのでしょうが…。

●監督:及川中  ●原作:竜騎士07