クレージーの怪盗ジバコ
私的評価★★★★★★★★☆☆
(1967日本)
人相、年齢、国籍不明の国際的大怪盗ジバコ(植木等さん)が、警視総監(東野英治郎さん)に紙ひこうきで予告状を送りつけて、日本にやってくることになった。今回のジバコの標的は、日本民族の遺産と呼ぶべき美術品だという。警視庁は明智少伍郎警部(ハナ肇さん)を捜査の責任者に置き、全力で空港に張り込んだが、ジバコは鈴木刑事(谷啓さん)に変装して見事に入国してしまった。身代わりに逮捕された鈴木刑事は、責任をとって辞職することになるが…。
東宝さんのクレージーキャッツ主演映画は、どれもおもしろいですねぇ。けっこう笑いにキレがあるし、本編のストーリーも意外としっかり練られているし、アキさせずに最後まで一気に見させる力があると思います。実はプロジェクタで投影しながら、最初の5分くらいで寝てやろうかな、なんて思いながら見始めたんですが、結局最後まで見てしまったのです。
変装が得意なせいで、次々とクレージーキャッツのメンバーに入れ替わってしまうのですが、光学合成だけで2役をやって見せてくれる技術に、驚かされました。手錠でつながれた谷啓さんと谷啓さん、おもしろいシーンでしたね。
高度成長期真っ只中の東京の空は、今よりもはるかに薄汚く霞んでいたんですね。そういうシーンが途中に何度か現れて、中には子どもたちが黄色いマスクをして通学してる、なんてのもありました(アレは実際に東京の子どもたちがやってたことなのかねぇ?)。自分が生きてきた時代の、特に幼年期〜少年期のころの日本の様子が伺えるので、60年代〜70年代の邦画は好きですねぇ。
時間的に、今年はコレで見納めでしょうね。また来年も、よい作品に巡りあいたいです。