一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

パプリカ

私的評価★★★★★★★★★☆

パプリカ [Blu-ray]

 (2006日本)

「夢が犯されていく――。」

 精神医療研究所のサイコ・セラピスト、千葉敦子(声:林原めぐみさん)は、開発された特殊な機器を使って患者の夢の中に侵入し、全く別人格の少女パプリカとなって、夢の中の患者と対話をしながら患者の心の奥底に潜む秘密を探りだすという、極秘の治療を行っていた。ある日同僚の天才科学者、時田浩作(声:古谷徹さん)が発明した画期的なセラピー機器『DCミニ』が何者かによって盗まれる事件が発生する。『DCミニ』はまだアクセス制限をかける前の段階で盗難に遭っており、悪用されれば、他人の人格を破壊するおそれもあるという危険な要素を孕んでいた。そして不安は的中し、研究所内で次々と犠牲者が現れ…。


 名作サイコスリラー『PERFECT BLUE』から8年後の今監督の作品。
 サイケデリックというのか、夢の中の世界は、極彩色に彩られ、何ともステキな輝きを見せてくれます。
 一体全体、今は夢の中なのか、それとも現実なのか、はたまた夢から醒めた夢の中なのか、どこなのか、判別がつかなくなります。そのうち、他人の夢が自在につながってきたり、ついには誰かの夢が、現実社会を逆に侵食していくかのような展開を見せ始め、ますます混沌としてきます。
 そう書くと、分かりづらいように思われそうですが、全くそんなことはなく、映像の美しさや独特の世界観にぐいぐい引き込まれ、一気に見終わってネタが分かったあとでも、何回となく繰り返し見たくなる、魅惑的な作品でした。
 基本、アニメは積極的には見ないんですが、たまに見ると、やっぱり表現力すげーなーと感心しますね。

●監督:今敏 ●原作:筒井康隆(小説「パプリカ」中公文庫/新潮文庫