ライフ -いのちをつなぐ物語-(One Life)
私的評価★★★★★★★☆☆☆
(2011イギリス)
イギリスのBBCが製作した2011年のドキュメンタリー映画。BBC Earthによるドキュメンタリー番組〝Life〟の劇場版です。
日本語版は、松本幸四郎さんと松たか子さん親子のナレーションです。ちなみに英語版は007ジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグさんです。渋いw
以前、プラネタリウム用の短縮版を見たことがあります。倍近い尺ですから、プラネタリウム版にない動物もいっぱい出てきます。
映像は、さすがのBBC Earthです。どんなカメラアングルで撮影したのかという驚きの映像ばかり。
野生の生物(動植物・昆虫など)の生き様を、命の誕生、子育て、捕食、パートナーの選択から新しい命へのバトンタッチというライフサイクルの視点から描き、〝生きるとは?〟を問う深いテーマのドキュメンタリーですが、DISCはBGV機能もあり、ノーナレで美しい映像だけ楽しむこともできます。
編集が違うと、同じ作品とは思えないような、印象の違いも感じます。
プラネタリウム版は、子どもたちが鑑賞することを重視してか、野生動物の弱肉強食な世界、いわば〝苛烈な自然界の掟〟のような厳しさをあまり感じませんでしたが、本作は、その辺を包み隠さず、ありのままの自然を映し出しているように感じました。
コモドドラゴンの無慈悲で執念深いハンティングの一部始終など、衝撃的な映像もあります。
まるで悪夢のようでも、それが自然の理。
それも、生きることに他ならないという事実。
胸が締め付けられます。
一方で、ハネジネズミやオリオフリネラ(コイシガエル)、バシリスク(キリストトカゲ)のように、ユニークな方法でハンターの魔手を逃れる生物の生態もユーモラスに描かれており、カメラワークの巧みさと撮影スタッフのただならぬ情熱に、ひたすら感心させられます。
命あふれるこの星の素晴らしさを感じないではいられない、そんな素敵な作品です。
●監督・脚本:Michael Gunton マイケル・ガントン、Martha Holmes マーサ・ホームズ