一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

けんかえれじい

私的評価★★☆☆☆☆☆☆☆☆

けんかえれじい [DVD]

 (1966日本)

 昭和10年ごろ、岡山県立岡山第二中学校の南部麒六(高橋英樹さん)は、〝けんかキロク〟で知られ、下宿先の娘・道子(浅野順子さん)に思いを寄せながらも、けんかに明け暮れていた。配属将校に立てつき、会津へ転校するはめになったキロクは、そこでもけんか修業に励んで硬派集団の頭にのし上がり、敵対する集団との大一番に挑むが……。


 岡山県生まれの童話作家鈴木隆さんの自伝的小説の映画化だそうです。

 ユーモア……う~む。時代ですかねぇ。くすりとも笑えません。唯一、麒六の日記のところだけ、フフンって笑いましたがw
 バンカラというのですかねぇ……ムリですわ。とにかく、痛いし、臭いし、汚いし……。鈴木清順さんのお作ですもんね。
 う~む、ケンカざんまいで、お腹いっぱい。

 おまけに、麒六は岡山弁を喋っとりゃせんじゃねーかw なんで関西なまりやねん?
 そもそも前半の岡山編の登場人物全般に、どこの方言かさっぱり分からん。いろいろ入り混じり過ぎじゃろが。
 まぁ、時代的に、その辺はどうでも良かったとしか思えないのですが、なんか地方をナメとりゃせんかと、ムカつきますw

 北一輝(緑川宏さん)が、どうだというのか、麒六が会津のカフェで一瞥しただけで、射すくめられるほどの衝撃を受けたというけれど、そのシーンも取って付けたような唐突感否めなかったし、そもそも原作にも新藤さんの脚本にも無かった北一輝の登場を、監督が「脇役が面白くない」とか言って付け加えたとかで、それがラストで麒六が再び衝撃を受けて、さらに大きなけんかを求めて東京に向かうという流れは、かなり強引な気がしました。

 鈴木隆さんの原作は読んでいませんし、童話にしても全くお目にかかったことがありませんが、このような経歴の方が童話を創作するという不思議、ちょっと、何とも言えません。

●監督:鈴木清順 ●脚本:新藤兼人 ●原作:鈴木隆(小説「けんかえれじい」/理論社、角川文庫、岩波現代文庫