TOKYOレンダリング詞集

私的評価★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

　（2008日本）

　固定カメラ、ビデオ撮りで、東京の街角の何気ない風景の１コマがしばらく映し出された後、そこに、会話の断片や、作者個人の感慨のようでもあり、あるいはまた、歌詞やキャッチコピーのようでもある、印象的な言葉のワンフレーズが浮かび上がっては、また別の風景の映像、言葉が繋げられていく。「出会わなければよかったなんて、言わないでくれ」「天職と思え、って、大きなお世話だ」「安保理」「ソウルフルで、いたい」等々…。（WOWOWの番組内容から引用）

　うむ。意味は…ないと思う。2008年春先の東京の景色を流し撮りした映像の断片を、パソコン上でエフェクトをかけてレンダリングしていく中に、監督の創作ノートのバラバラなフレーズがテキトーにピックアップされて、垂れ流される。ただ、それだけ。ゆーたら、お遊びみたいにしか思えんの。監督自身がパソコンで編集したそうだが、まさか遺作になろうとは、ご本人も思ってなかったのでは？
　かくも先鋭的に感性に訴えかけるような意欲作を、何にも考えてないバカちんが評価するなんてのは、無理な話。

●監督：市川準　●音楽：松本龍之介