一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望

私的評価★★★★★★☆☆☆☆

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 スタンダード・エディション [Blu-ray]

 (2012日本)

青島を最後の捜査へと向かわせるのは…最悪の正義。

 湾岸署管内で開催中の国際環境エネルギーサミット会場で誘拐事件が発生。
 数時間後に被害者は射殺体で発見される。使用されたのは、警察が押収した拳銃。緊急招集された捜査会議では、すべての捜査情報を鳥飼管理官(小栗旬さん)へ文書で提出することが義務付けられ、所轄の捜査員には一切の情報が開示されない異例の捜査方法が発表される。
 そんな中、第2の殺人が発生。そして、捜査員たちを嘲笑うかのように起こった第3の事件。「真下(ユースケ・サンタマリアさん)の息子が誘拐された…!」
 疑念を抱きながらも必死に真実を突き止めようと捜査する青島(織田裕二さん)。その捜査こそが、青島、最大そして最後の事件になるとも知らずに…。
 これまでの全シリーズ作品を凌駕する、衝撃のラストダンス!
Blu-rayパッケージのSTORYから引用)


 『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! - 一応、邦画劇場』から2年後、ですが、それからすでに7年経って、今ごろ見ました。
 Blu-rayを買ってたんですが、すでに惰性で買ってて、ちょっと熱が冷めた時期で、テレビ放映時に、断片的に見てて、やっと全編見たワケです。でも、実は最後の犯人確保以降は、日本映画専門チャンネルの4Kリマスター放送のとき、うっかり見てしまってたんですよね。

 1997年に放送開始したシリーズの完結編だけに、歴代の小ネタとか登場人物とかいろいろ仕込んでます。
 一番感慨深かったのが、実はスリアミの皆さんの老けようでして、15年の歳月の重さをひしひしと感じました。まぁ、青島も歳重ねてそれなりの顔つきになっちゃてるし、すみれさんもそれなりに。
 小林すすむさんは、遺作ですよね。もう、画面からも激やつれしてる印象で、痛々しさを感じました。それでも、最後まで湾岸署ファミリーの一員として、存在感を放ってました。できれば『恩田くん!恩田くん!恩田くん!』をもう一度聞きたかったんですけどね…。ご冥福をお祈りいたします。
 すでに亡くなられている、いかりや長介さん演じた和久さんへのリスペクトもあちこちにありましたが、事件解決後、湾岸署玄関で鳥飼とすれ違う際に青島がつぶやく『正義なんてのは胸に秘めとくぐらいがいいんだ』を聞いた瞬間、「和久さんだぁ…」ってピンと来ました。和久さんがかつて青島に言った言葉ですね。調べてみると、TVシリーズ2話〝愛と復讐の宅配便〟で、和久が青島に対して諭したセリフ『正義なんて言葉は口に出すな、死ぬまでな。心に秘めておけ』が元ネタのようです。


 内容は……やっぱり〝踊る大捜査線〟シリーズだなぁ…。重い事件を扱ってるのに、解決方法が雑。いくら現場の刑事が足で捜査するったって、最後に犯人の居場所にたどり着くのは、無理筋です。
 事件の構図が最後に解き明かされるくだりも、6年前の事件の回想映像は出てきますが、なんかしら、取って付けた印象を拭えませんでした。
 それと、後味悪い事件なのに、なんか、なんとなぁ~く、メデタシめでたし、良かったヨカッタみたいな雰囲気で終わるような終わり方、カンジ悪かったです。特に、真下さん。アンタも警察官僚だもんね。組織に逆らえないもんね。でも、後悔してない雰囲気は、やっぱり残念な印象しか残らず、もやっとしました。

 唯一、〝踊る大捜査線〟らしいなぁ、と笑ったのは、真下署長に隠蔽がバレたとき、咄嗟についた青島のウソの内容ですね。その後の真下の対応は、モロ〝踊る大捜査線〟のスリアミのノリで笑えました。


●監督:本広克行 ●脚本:君塚良一