一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

ストロベリーナイト

私的評価★★★★★★★★☆☆

ストロベリーナイト Blu-rayスタンダード・エディション

 (2013日本)

 部下の菊田(西島秀俊さん)とバーにいた警視庁捜査一課・姫川(竹内結子さん)のもとに、中野東署管内で男性の他殺体が見つかったという連絡が入る。男性は龍崎組傘下の〝仁勇会〟の下部組織、〝六龍会〟の構成員の小林で、殺害手口が5日前に起きた三鷹と、3日前に起きた業平橋の各殺人事件と一致していることから、警察は連続殺人事件と見て合同捜査本部を設置する。だが、姫川は不審なタレコミの電話を受けたことから、本当に連続殺人事件なのかと疑問を抱く。(WOWOWの番組内容から引用)


 竹内結子さんが主演した人気TVドラマの映画版。原作は誉田哲也さんの姫川玲子シリーズ4作目の〝インビジブルレイン〟だが、TVシリーズが同シリーズ1作目の〝ストロベリーナイト〟をフジテレビの土曜プレミアム枠で単発放送したあと、同名のTVシリーズにしたため、そのまま映画でも〝ストロベリーナイト〟をタイトルに冠しているそうである。
 というようなことを、たった今、Wikipediaで知った。
 実は、原作はおろか、TVシリーズを一切見ていないのであります^^;


 う~む。フジテレビにしては、骨太かな?
 ストーリー自体は、半分ほど見終わったところで、ちょっと予想ついちゃったんですけどね。
 それでも、脚本がしっかりしてて、俳優陣の丁々発止の演技がすばらしいので、グイグイ引き込まれて観てしまいました。
 劇中で日下班の日下警部補(遠藤憲一さん)が『そうだな。刑事だって人間だ』と菊田に言うシーンがあるんですが、姫川玲子を始め、登場する主要な刑事たちのことを丁寧に描いているので、それぞれが必要なキャラクターとして、ちゃんと生きているのが良かったです。

 たぶん、TVシリーズの〝ストロベリーナイト〟を観てたら、姫川玲子の引きずってる過去と、現在の心情・心境がより分かって、感情移入しやすいんでしょうね。でも、映画の中でおおよそ想像はつくので、まぁ。
 牧田勲(大沢たかおさん)、柳井健斗(染谷将太さん)の行動については、雑に作りこんでしまうと、取って付けたような理由を目の当たりにし、「なんだそれ?」みたいな感想になりかねないところです。しかし、脚本が二人の間に共鳴する感情の高鳴りを丁寧に仕込んでいるので、魂を揺さぶられるような生々しい演出とも相まって、なんでそんなことになったのか、けっこう腑に落ちました。すばらしい仕事をなさっていると思います。

 また、最後に友情出演の三浦友和さん演じる捜査一課長が、イイ仕事をされますw
 血生臭くて、いや~な殺人事件の結末として、ちょっと胸が空く思いをさせていただきました。


※原作の誉田さんて、この作品も書いてらっしゃったんですよね。ジャンルの振り幅大きくて、すぐにピンと来ませんでした^^;
vgaia.hatenadiary.org


●監督:佐藤祐市 ●脚本:龍居由佳里林誠人 ●原作:誉田哲也(小説『インビジブルレイン』/光文社刊)