イン・ザ・プール
私的評価★★★★★★★★☆☆
(2005日本)
いい加減な治療で患者をさらに混乱させる精神科医、伊良部一郎(松尾スズキさん)。そんな彼のもとには、なぜか奇妙な悩みを抱えた患者ばかりが訪れる。エリートビジネスマンだが〝プール依存症〟の大森(田辺誠一さん)、〝継続性勃起症〟の田口(オダギリジョーさん)、そして電気の消し忘れやガスの閉め忘れなどが気になり、外出先から家に戻らずにはいられない女性フリーライターの涼美(市川実和子さん)など。一郎の口から出任せのようなアドバイスのせいで、彼らはさらに困った立場に陥っていくが……。(WOWOWの番組内容から引用)
これも三木聡監督だから、安心して観てたんだけど……まぁ、三木監督らしい緩さはあったけど、なんかスッキリしないカンジ。
原作は奥田英朗さんの短編集『イン・ザ・プール』から、〝イン・ザ・プール(田辺)〟〝勃ちっ放し(オダギリ)〟〝いてもたっても(市川)〟の3作を映像化したようなんです。
松尾スズキさんの映画初主演作らしいんですけど、患者の田辺さん、オダギリさん、市川さんが主演にしか見えない印象でした。
どっちかと言うと、松尾さんが狂言回し的役割になってしまってて、ちょっと印象薄くなってしまってた気が……。
たぶんね、平行して描かずに、連作風に3本順番に並べて描いたほうが、松尾さんのいい加減な診断による混沌が際立って、良かったんじゃないかと思った次第。
同じ三木監督作品の『図鑑に載ってない虫 - 一応、邦画劇場』は、松尾さんのハチャメチャなキャラがしっかり立ってて、ぐいぐいストーリーをドライヴする勢いを感じられて面白かったので、余計にそう思ったのかなぁ?
とはいえ、患者役の3人のエピソードがそれぞれ面白すぎるので、決して退屈はしないはずです。
岩松了さん、ふせえりさんら三木監督作品におなじみの面々も揃って脇を固めているので、時効警察とか好きなら、鉄板でしょう。
ちょっと甘いかもだけど、★8つにしときます。