一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

ウルトラQ〜dark fantasy〜第6話『楽園行き』

私的評価★★★★★★★☆☆☆

ウルトラQ darkfantasy case3
ウルトラQ~dark fantasy~case3 [DVD]

 (2004日本)

 真面目一筋のサラリーマン・巽(佐野史郎さん)が、〝楽園行き〟というメモ書きを残して失踪した。その行方を追った剛一(袴田吉彦さん)は、都会の地下に広がる迷宮に迷い込む。
(DVDパッケージから引用)


 2004年テレビ東京系で放送された〝ウルトラQ〜dark fantasy〜〟全26話のうちの第6話です。
 同時収録の第5話『ヒエロニムスの下僕』は、アメリカのヒエロニムスという電気技術者が、1948年に特許番号2482773を取得した疑似科学的発明品〝ヒエロニムスマシン〟を使って人間を消失させるというホラー。禁断の発明品を使う人間の思考が一番怖いという、心理的サスペンス度が高い作品です。


 一方の本作は、シリーズのナレーターを務められる佐野史郎さん自身がゲスト出演された回です。「楽園」配達人役で、大好きな石橋けいさんが出演なさっているのも外せませんね。
 スト-リーは、オリジナル〝ウルトラQ〟シリーズの第28話(最終話)「あけてくれ! 」に通じる〝現実逃避物〟なんですが、オリジナルが極めてシュールなSF的作品であるのに対し、本作は、かなり現実的な捉え方の作品であると感じました。

 現実逃避をした挙句が、大都市東京の地下に広がる開発途中で見捨てられた遺構に巣くう〝ネズミ〟扱いとは、なんとも切ないハナシです。それでも、現実社会のしがらみに雁字搦めに縛られる生活に比べれば、はるかに人間らしい暮らしができる〝楽園〟ということなのでしょうか?

 本作は、誰もがリアルに〝アンバランス・ゾーン〟に足を踏み入れる可能性があることを示唆するお話なのかも知れません。


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●監督:服部光則 ●脚本:村井さだゆき