ウルトラQ〜dark fantasy〜第23話『右365度の世界』
私的評価★★★★★★★★★☆
渡来教授(草刈正雄さん)の講義を受講する吉安光雄(小西大樹/現・小西遼生さん)が消えた。彼を捜す同じ教室の乙村そら(前田愛さん)は、量子力学上の世界『右365度の世界』に入り込む!
(DVDパッケージから引用)
2004年テレビ東京系で放送された〝ウルトラQ〜dark fantasy〜〟全26話のうちの第23話です。
量子力学論をベースにした別世界のハナシ。『量子の世界において、粒子は観測されていない時と観測されている時とでは状態が変わる』とか、シュレディンガーの猫のハナシとか、高一で理系を断念したボクには難し過ぎて、よく分からんし、よく分からんことを良いことに、怪しげなエセ科学に擬装した宗教モドキに利用されたり、なんや危険な臭いがしてしゃあないテーマなんですが、このお話は、実に〝文学的〟に美しく脚色されておると思っています。
別世界に消えてしまった吉安くんを捜す乙村さんの想いが、なんとも切ない展開の中で、観ている者の胸を締め付けます。
ボクは、ボクの世界にいるのかしら? 誰も観ている者のいない、たった今。この時に。
本作も、まさしく日常のバランスが崩れる〝アンバランス・ゾーン〟というウルトラQシリーズのテイストを色濃く継承する良作で、大好きなお話の一つです。
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