ウルトラQ〜dark fantasy〜第10話『送り火』
私的評価★★★★★★★★☆☆
ウルトラQ~dark fantasy~case5 [DVD]
(2004日本)
深夜の病院で、高齢の入院患者が相次いで急死する。渡来教授(草刈正雄さん)は〝送り火〟と呼ばれる、人を安楽死させる能力をもった異能の一族を思い出す。
(DVDパッケージから引用)
2004年テレビ東京系で放送された〝ウルトラQ〜dark fantasy〜〟全26話のうちの第10話です。
同時収録の第9話『午前2時の誘惑』は、さとう珠緒さん演じる御局様女子社員が、深夜のテレビショッピングで宇宙人から購入した〝若返り薬〟を飲んだために巻き起こる事件を描いたコメディ作品。ちょい役ですが、夜の繁華街でタレントをスカウトする役に金子修介さんが出演なさっています。
一方の本作は、ウルトラマンダイナの神回と個人的に推してやまない第20話『少年宇宙人』の監督・原田昌樹さん&脚本・太田愛さんのコンビによる佳作。太田愛さんは、『少年宇宙人』を始め、ウルトラマンダイナで心に残る名作の数々を書かれています。
それほど遠くない未来、誰にも訪れる死。そのとき、誰に看取ってほしいですか?
〝送り火〟の一族の末裔ヒタキ(上條誠さん)に看取られる入院患者の高齢者たちは、余命いくばくもないことが分かっているけれど、みんな看取ってくれる家族はいないのかしら?
だとしたら、ボクも最期はヒタキに看取られることになるのかな?
この世に生まれて一番最初の優しい記憶のある世界〝Mother Land〟。
どんな人間も、死ぬときにはその優しい記憶の世界を通って消えていくと言う。
〝送り火〟は、必要とされる人のところへ呼ばれ、一緒に〝Mother Land〟を通り、消え行く魂を送る。
ヒタキは、自身の〝Mother Land〟と引き換えに〝送り火〟になる。
父の死を看取ったときを思い出した。
父の魂は、自分の〝Mother Land〟を通って、消えて行ったのだろうか?
看取る側も、看取られる側も、なんだかせつない。
※太田愛さん脚本の作品
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●監督:原田昌樹 ●脚本:太田愛