ぼくらの七日間戦争2
私的評価★★★★★★★☆☆☆
(1991日本)
大人と中学生の闘争をコミカルに描いた大ヒット作『ぼくらの七日間戦争』第2弾。今回は沖縄の無人島を舞台に、リゾート業者らの大規模開発計画による自然破壊を阻止しようと、中学生グループが島を占拠して闘う姿をコミカルに描く。
(日本映画専門チャンネルのあらすじから引用)
アニメ版を観て実写版に続編があったことを思い出し、ライブラリから引っ張り出して鑑賞したワケだ。
BD-Rに記録されたタイトル説明によると、2014年日本映画専門チャンネルで放送されたモノと思われる。
原作は宗田理さんの〝ぼくら〟シリーズ第10作『ぼくらの秘島探検隊』で、演じる子どもたちは変わったが、中山ひとみ(渋谷琴乃さん)始め、主要メンバーは前作と同じ、青葉中学の生徒たち。丹羽教頭(笹野高史さん)、数学教師の八代(佐野史郎さん)は、そのまま前作から引き続き登場。
しかし、管理教育の名の下に、生徒たちを不当な目に合わせるインチキ教師たちに一泡吹かせて、大人のインチキを世間に晒してやろうという前作の意気込みは、本作の子どもたちからは、あまり伺えない。
アニメ版で宮沢りえさんが再登場したのに対し、続編の本作がさっぱり話題になっていないのは、たぶん、生徒役の子どもたちのその後の露出が低かったためかと思うが、作品自体、シリーズ化されたならまだしも、2作目で終わったときの続編は〝二番煎じ〟みたいな見方をされて、不当に低く評価されるところもあるかな、なんて思ったりもする。
確かに、作品のインパクトは、前作の方が大きかった。それは否めないところ。
しかし、そこまでひどい作品ではないし、むしろ公開当時の配収は、本作の方が倍以上だったという事実もある。
う~む。やっぱり今や大女優になった宮沢りえさんの映画主演第一作というのが、結局一番の理由かな。
どうでもいいボクの見解はさておき。
舞台は沖縄、海も森も鍾乳洞も、どこもかしこも美しい景色でいっぱい。
カヌーに乗ったり、海にもぐったり、釣りをしたり、森の中を探検したり、キャンプ生活はすこぶる楽しそう。
前作に比べて圧倒的に子どもたちの開放感がハンパないのは当たり前だけど、夜の浜辺で空き缶ひとつで遊べる子どもたちの純粋さがステキだ。
そもそも、このシリーズの子どもたちは、後先考えて行動していない。
自分たちを抑圧する大人たちのインチキに対し、ほんの少しだけお返しをして、インチキを糾したいだけだ。
祭りのような七日間の反抗が終わった後、大人たちからどんなお叱りを受けるかなんて考えてないし、映画でもそこは描かれない。
あの手この手の仕掛けに手を焼き、プライドをずたずたにされるインチキな大人たちを見て、痛快に笑えばいいだけ。
そして七日間の冒険が終わったあとの、子どもたちの充足感に満ちた飛び切りの笑顔を見て、いっしょに溜飲を下げればいいだけ。
ま、そうなんだけどね。
歳をとると妙に分別くさくなって、実社会では『インチキな大人になっちまってるのかも知れないな』なんて、わが身を振り返って、肝を冷やすところもあるのだね。
何はともあれ、思春期は、親離れの始まり。
子どもたちの笑顔からは、確かな成長の証があふれてる。なんてな。
※それぞれに面白さはある。
vgaia.hatenadiary.org
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●監督:山崎博子 ●脚本:山崎博子、稲葉一広 ●原作:宗田理(小説『ぼくらの秘島探検隊』/角川つばさ文庫、角川文庫・KADOKAWA刊)