一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

ロマンスドール

私的評価★★★★★★★★★☆

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映画『ロマンスドール』公式サイトより引用

 (2020日本)


変わらない日常のなかで、
どうして僕らは、
変わってしまったんだろう。


 一目惚れをして結婚した園子(蒼井優さん)と幸せな日常を送りながら、ラブドール職人であることを隠し続けている哲雄(高橋一生さん)。
 仕事にのめり込むうちに家庭を顧みなくなった哲雄は、恋焦がれて夫婦になったはずの園子と次第にセックスレスになっていく。
 いよいよ夫婦の危機が訪れそうになった時、園子は胸の中に抱えていた秘密を打ち明ける……。
(映画『ロマンスドール』公式サイト「STORY」より引用)

romancedoll.jp



 一般劇場で観る、ちゃんと制作費かけたピンク映画。みたいな^^;
 これぞホンモノの〝珠玉の大人の純愛ラブストーリー〟ってヤツじゃね?

 ボクの中では、ピンク映画は、人間の本音や本質に迫るドラマとして、最上級のリスペクトに値する映画のカテですから、誤解されませんようにwww


 2時間を超える映画でしたが、二人の馴れ初めからラブドール職人の仕事にのめり込む夫と、秘密を抱えて深夜まで夫の帰りを待つ妻のリアリティを、ユーモアを交えながらも丁寧に描いてくれていたので、まったく長さや退屈さを感じることはありませんでした。


 なんてことないラブストーリーだけど、ラブドール職人って切り口が新鮮でしたね。

 人間のオスの本能というか、卑近な欲望に迫る仕事師を主人公にすることで、かえって二人の愛の純度が増した気がしたし、一方でより身近に二人のことを感じられた気がしました。
 独り身の自分でも、共感度高い恋愛関係・夫婦関係だな、と思った次第です。



 きたろうさん演じるドール造形士の相川と、渡辺えりさん演じる会社で社員みんなの母的なポジションの田代のお二人が、この物語に安心感を与えてくれていました。

 ピエール瀧さん、無事上映されて良かったですね。
 しかも、警察に逮捕される役だなんて^^;
 でも、豪快で肝が据わってて、社員への愛情あふれる社長、カッコよかったです。



 最後に独白で、哲雄が園子のことを語るセリフが、上辺を取り繕うことなく実に俗っぽいコトバなんだけど、それが不思議なくらい愛情にあふれているような気がして、とってもステキな落とし方だなぁと思いました。なんとなく、心があったかくなった気がしました。




●原作・脚本・監督:タナダユキ(小説『ロマンスドール』/角川文庫刊)