一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

ねことじいちゃん

私的評価★★★★★★★★☆☆

ねことじいちゃん Blu-ray豪華版

 (2018日本)

動物写真家の岩合光昭が初監督に挑み、人気落語家・立川志の輔が映画初主演。過疎化が進む小さな島に住む老いた男性と1匹の猫が、個性豊かな住人たちと過ごす日々を描く。

 ある島。大吉(立川志の輔さん)は2年前に妻(田中裕子さん)に先立たれ、飼い猫のタマと暮らしていた。毎朝の日課はタマの散歩で、幼なじみの巌(小林薫さん)や気心の知れた友人と穏やかに過ごす日々を送る。ある日、島に若い女性・美智子(柴咲コウさん)がやって来て、カフェをオープンする。最初は彼女を警戒する大吉たちだったが、気さくな美智子と次第に心を通わせる。大吉は彼女に料理を習ったことをきっかけに、家で妻が残したレシピノートを見つけ、本格的に料理をするようになるが……。
WOWOWの番組内容から引用)



 猫の日以来、3日続けて〝ジジイとネコちゃん〟の映画を観ているのは、たまたまである。

 いや、主人公のネコがタマで、ボクが最後に飼ってたネコもタマだったのは、これもまた、たまたまである。



 『ネコは集めちゃイカン』とは思っているけど、やはり映し方によると思った次第。

 さすがの岩合さんである。

 ネコのイイところを引き出す術を熟知している。

 某公共放送の『世界ネコ歩き』みたいに、画面の中でネコたちがとても自然な感じに動き回ってて、いつまでもずっと安心して観ていられる^^



 ストーリーもいいなぁ。

 ボクもちっとばかし、老境に足を踏み入れつつあるせいか、なんか自分の近い将来と重ね合わせてしまうみたいだ。

 高齢化が進む集落なので、中には誰も見ていないところで病に倒れる方や、亡くなってしまう方も出てくるのがリアルだ。

 しかし、こんな集落なら住んでみたいと思いつつ、田舎の人間関係が、自分にはしんどいのも事実で、どんな老後を過ごすか考えると、アタマが痛い。



 立川志の輔さんが、自然体でほのぼのとしていてイイ味を出していると思う。

 柴咲コウさん、柄本佑さん、田中裕子さん、小林薫さんと演技の上手い方々が控えめに脇を固めているのも、贅沢なキャストだと思う。

 何よりネコのタマ役のベーコンちゃんが、まるでベテラン俳優みたいに堂々としてて、微笑ましかった。



●監督:岩合光昭 ●脚本:坪田文 ●原作:ねこまき(ミューズワーク)(コミック『ねことじいちゃん』/KADOKAWA刊)