糸
私的評価★★★★★★★★☆☆
(2020日本)
平成元年生まれの高橋漣(菅田将暉さん/少年時代:南出凌嘉さん)と園田葵(小松菜奈さん/少女時代:植原星空さん)。
北海道で育った二人は13歳の時に出会い、初めての恋をする。
そんなある日、葵が突然姿を消した。
養父からの虐待に耐えかねて、町から逃げ出したのだった。
真相を知った漣は、必死の思いで葵を探し出し、駆け落ちを決行する。
しかし幼い二人の逃避行は行く当てもなく、すぐに警察に保護されてしまう。
その後、葵は、母親に連れられて北海道から移ることになった。
漣は葵を見送ることすらできないまま、二人は遠く引き離された…。
それから8年後。
地元のチーズ工房で働いていた漣は、友人の結婚式に訪れた東京で、葵との再会を果たす。
北海道で生きていくことを決意した漣と、世界中を飛び回って自分を試したい葵。
もうすでに二人は、それぞれ別の人生を歩み始めていたのだった。
そして10年後、平成最後の年となる2019年。
運命は、もう一度だけ、二人をめぐり逢わせようとしていた…
(映画『糸』公式サイト「STORY」より引用)
観る予定じゃなかったんだけど、iphoneのバッテリ交換の予約時刻まで時間が空いたので、本日3本目の鑑賞。
平成元年初日から令和元年初日までを一気に駆け抜ける、漣と葵のすれ違い続ける物語。
長い二人のそれぞれの物語を、平成を振り返るように時代の思い出とともに描く。
時間の区切りがキッパリとカットアウト・カットインでつながるところが、却って様々な感情を揺さぶられる。
中学時代に無理やり離れ離れにされてしまった二人の人生は、これでもか、これでもか、という具合にすれ違い続ける。
母の教えを守り、泣いている人に小さな体でギュッと抱きついて慰めようとする漣の愛娘が愛おしい。
時間を変えて、榮倉奈々さんと成田凌さんが、それぞれカラオケで唄った中島みゆきさんの〝ファイト〟がホントに泣ける歌詞だった。
しかし、中島みゆきさんの歌声は、胸を打ち、自然と涙があふれてしまうような響きを持ってるなぁ。
クレジットで幸せいっぱいなシーンが映し出され、見終えたあとに、心がじんわりと温まるのを感じた。
クレジットロールに瀬々監督の名前を見つけて、ちょっと違和感を覚えた。
最近の瀬々監督の作風とは、ジャンルが違うような気がして。
こんな幅広い年齢層に受ける甘ったるい作品、撮るんだ。気分転換なのかしら?