一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

六番目の小夜子

私的評価★★★★★★★★☆☆

六番目の小夜子 (新価格) [DVD]

 (2000日本)


 私、潮田玲(鈴木 杏さん)が通ってる西浜中学校には「サヨコ」っていう不思議ないいつたえがあるの。
3年に一度、サヨコと名乗る生徒が選ばれて、3つの約束を果たす。
成功すれば、3年後にまた新しいサヨコが現われる。
そういういいつたえ。

興味があったから、自分がサヨコに選ばれたふりをして最初の約束の「赤い花」を飾ろうとしたんだけど、もう飾ってあったの。どういうこと?
もうひとり「サヨコ」がいるの?。

私のクラスには「津村沙世子」って転校生(栗山千明さん)も来るし....

よくわからないことだらけだけど、私、六番目の「サヨコ」になる。そう決めたの。

まずは、もうひとりの「サヨコ」を探さなきゃ...

NHK ONLINEアーカイブドラマ愛の詩シリーズ「六番目の小夜子」第1話ストーリー』から引用)
ドラマ愛の詩シリーズ 「六番目の小夜子」 | NHKドラマ


【初回放送】
 NHK教育テレビジョン
 2000年4月8日(土)から6月24日まで 毎週午後6時~[連続12回]

 放送枠は、かつての〝少年ドラマシリーズ〟の後継枠と言われる〝ドラマ愛の詩〟で、原作者の恩田陸さんは、本作を『少年ドラマシリーズへのオマージュとして書いた』と明言されているそうです。新潮社の第3回ファンタジーノベル大賞で最終選考まで残った原作は、恩田陸さんの初作品。
(出展:Wikipedia『六番目の小夜子』


【各回タイトル】

  1. 謎の転校生
  2. 亡霊
  3. 見えない敵
  4. 謎のメッセージ
  5. 不思議なうたごえ
  6. 七夕の秘密
  7. 恐怖の文化祭(前)
  8. 恐怖の文化祭(後)
  9. サヨコはここにいる
  10. サヨコの正体
  11. そして扉が開く


 中学校を舞台にした学園ホラー、ファンタジー、ミステリーといった作品です。
 数々の上質ジュヴナイルをドラマ化して提供してくれた〝少年ドラマシリーズ〟のテイスト満点の本作、毎回毎回、謎が謎を呼ぶ展開で終わり、次回が気になって仕方なくなって、ついつい深夜に一気に観てしまうワケです。

 放送時は知らなかったのですが、当時ポカリスエットのCMでブレイクした鈴木杏さんが気になって(と言いつつ、本当はW主演の栗山千明さんの方が気になって)、DVDが発売されたときに3巻まとめて購入し、そのまま一気見したことを思い出します。

 初見のときも驚いたのですが、今観直すと、凄まじいキャスティングですね。

【キャスト】

  • 潮田 玲(鈴木 杏さん)
  • 津村沙世子(栗山千明さん)
  • 関根 秋(山田孝之さん)
  • 花宮雅子(松本まりかさん)
  • 加藤彰彦(山崎育三郎さん)
  • 唐沢由紀夫(勝地 涼さん)
  • 設楽正浩(内野謙太さん)

 今から思うと、こんな豪華なメンバーがクラスメイトだったり同級生だったりするワケです。
 いずれも10代のころの出演ですが、みなさんの昨今のご活躍を思えば、NHK、凄い先見性を発揮してるなぁ、と感心するばかりです。

 この中でも、特に山崎育三郎さんだけは、朝ドラ〝エール〟の佐藤久志を観て、本作に出演していた優等生役の加藤彰彦と同一人物だとは気づけないほど、まったく雰囲気が違ってました。
 先日NHKあさイチ〟に出演されていたときに知った情報では、加藤役を演じていたころは、既にミュージカルにも出演していたものと思われますが、その雰囲気もまったく感じさせない名わき役ぶりでした。


 あと、出演者の中で、鈴木杏さんの弟役の伊藤隆大さんと山田孝之さんの実父役の古尾谷雅人さんが、若くして既に鬼籍に入られていることが、個人的にはとても残念でなりません。謹んでご冥福をお祈りいたします。


●演出:田中賢二(1、2、5話)/遠藤理史(3、4、8、9、12話)/出水有三(6、7話)/陸田元一(10、11話) ●脚本:宮村優子 ●音楽:coba ●原作:恩田 陸(小説『六番目の小夜子』/新潮文庫刊)