一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 [MX4D版]

私的評価★★★★★★★★☆☆

f:id:vgaia:20201208232033j:plain
エヴァンゲリオン公式サイトより引用

 (2007/2020日本)

 突如世界を襲った未曾有の大災害“セカンド・インパクト”。この影響で人類の半数近くは死にいたり、世界の各地には大破壊の痕跡が刻みこまれた。やっと平穏な日々が戻ったと思われたとき――14 歳の少年・碇シンジ(声:緒方恵美さん)は父親から第3新東京市へ呼び出されて、出迎えを待っていた。

 その眼前の山あいから、巨大な生物が出現! それは「使徒」と呼ばれる正体不明の存在で、たちまち国連軍と激しい交戦を開始した。爆風に巻きこまれ、危機に陥るシンジ。その生命を救ったのは、葛城ミサト(声:三石琴乃さん)と名乗る女性だった。

 ミサトの車で特務機関NERV(ネルフ)の本部へと連れていかれ、シンジは父と3年ぶりの再会をはたした。だが、シンジは父の碇ゲンドウ(声:立木文彦さん)から極秘裏に開発された巨大な人型兵器を見せられ、使徒との戦いを強要された。それがシンジと人造人間エヴァンゲリオン初号機との出逢いであった。

 反発を覚えたシンジではあったが、女性パイロット綾波レイ(声:林原めぐみさん)の重傷を目のあたりにして、逃げることを否定し、ついに自ら出撃を決意する。何の訓練も受けないままに、初めて使徒と対峙するEVA 初号機のシンジ。

 世界の命運を託された14 歳の少年シンジは、はたしてどう戦うのか? そして、セカンド・インパクトに隠されたキーワード「人類補完計画」の真実とは?

 すべての謎の鍵を握る碇ゲンドウは、シンジの苦闘をじっと見つめている……。

エヴァンゲリオン公式サイトより引用)
www.evangelion.co.jp


 実は、初鑑賞なんです。
 最近あった公共放送の〝序・破・Q〟も情報不足で見逃してて、全くの初めて。
 初めてが4D版というのも、なかなかな鑑賞体験なんですが。


 作品全般の感想は、Rebuildされた結果、ストーリーに説明的なセリフが増えて、親切なんだけど、TV版のような〝次々と提示される謎めいた事象に困惑しながらも惹き込まれてしまう〟みたいなオカルト性の高い展開は薄れてしまった印象です。キャラクターの表情(特に目元)も全般的にマイルドに見えましたし、4部作だけでTV版を知らない大勢の人たちに鑑賞してもらうことを前提に、分かりやすさ、取っつきやすさを重視したのかも、と思いました。


 さて、MX4Dを初めて体験したのは、4年前の『シン・ゴジラ』、奇しくも庵野監督作品でした。
 その時もなかなか衝撃的な体験だとは思ったんですが、今回は、さらにヒートアップしてて、まぁ、揺れが凄かった~!
 どんぐらい凄かったって、たまたま鑑賞後に続けて『サイレント・トーキョー』を隣のスクリーンで観てたんですが、時おり震度1~2程度の強さで座席が揺れてて、ホンマに1発目の揺れのときは「地震来た?」て内心ドキドキしてしまって、映画に集中できなくなってしまうほどだったんです。マジ、揺れすぎ^^;

 MX4Dの効果は戦闘シーンだけじゃなく、移動する車の振動をはじめ、リフトが滑車を越える際の振動、ボルトが止まる時の衝撃などが、シンクロ率100%で座席の揺れで再現され、没入感がハンパなかったです。

 『シン・ゴジラ』でもミストやらエア・ブラストやらがプシュップシュッて顔に風吹きつけて、けっこう邪魔くさい感じでしたが、本作はそれが結構効果的な場面で使われてて、例えばエア・ブラストは、一発目がいきなり冒頭で、第四使徒に攻撃を仕掛ける戦略自衛隊の戦闘ヘリが後ろから画面に入った瞬間にプシューッて来て、そこから椅子もガタガタ揺れ始め、一気に戦場に放り込まれた気分になりました。

 また、ミストが凄いエグかったです。
 使徒のコアが破壊され、血のような液体がドバッと飛び散るシーンで顔にミストがプシュッ! 同時に首筋にエアがプシュッ!
 あの液体を頭からかぶってしまったような、イヤ~な体験まで仕込まれてて、なかなか野心的な4D体験の演出だな、と感じました。

 さらに斬新に感じたのが、煙の演出です。これは初めて見ました。
 戦闘により黒煙が上がる第3新東京市の映像にシンクロして、画面下方3か所からゆらゆらと煙が立ち上るのです。
 「オォー! すげぇー!」って口走りそうになったんですが、直後のキャラの画面にも煙が残ってたのは、ちょと邪魔くさかったです^^;
 とは言え、結構凄い勢いで消え去ってましたがね。

 ともかく、せっかく初の4D版上映なのだから、これは体験しておかないと損だと思いましたね。
 ただ、あんまり振動が激しいため、細かいセリフは聞き逃してしまったかも知れません。
 ストーリーをちゃんと理解しながら観たい方は、通常版を観た後に体験したらイイと思いました。
 そうですね。4D版は〝鑑賞〟と言うよりも〝体験〟ですね。
 とってもアトラクティブでした。


 来週からの2作目『破』、3作目『Q』の4D版上映も楽しみです。


●原作・脚本・総監督:庵野秀明 ●監督:摩砂雪鶴巻和哉 ●アニメーション制作:スタジオカラー