一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

すくってごらん

私的評価★★★★☆☆☆☆☆☆

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映画『すくってごらん』公式サイトより引用

 (2021日本)
 
恋心も、人生も、金魚もみーんなす・く・わ・れ・る
映画史上初! 金魚すくい音楽が織りなす極上のハーモニー!

 東京から左遷され片田舎の町へやってきた大手メガバンクのエリート銀行員・香芝誠(尾上松也さん)が運命的に出会ったのは、金魚すくいの店を営む美女・吉乃(百田夏菜子さん/ももいろクローバーZ)。持ち前のネガティブな性格と左遷のショックから心を閉ざし、仕事だけに打ち込もうとするが、吉乃のことが頭から離れない香芝。しかし、吉乃は幼なじみの王寺昇(柿澤勇人さん)への想いと、ある秘密を抱えていた。一方、女優の夢破れ地元のカフェで働く明日香(石田ニコルさん)には一目ぼれされる香芝。果たして、エリート人生から外れてしまった香芝の人生はどうなるのか? そして、秘密を抱える吉乃の心を金魚のようにすくうことはできるのか?
 今、金魚と恋心と出世をめぐるドラマがはじまる―!!
(映画『すくってごらん』公式サイト「STORY」より引用)

sukuttegoran.com


 なんかなぁ…中身スカスカのハリボテ感が…。

 とにかく、ストーリーはペラペラの薄っぺら。
 というか、ストーリーより小京都然としたお茶屋街風の街並みやら、やけにキラキラしてるくせに赤みの差した照明がほのかに淫靡な雰囲気醸してる金魚すくい屋やら、舞台装置に凝り過ぎてるカンジ。その上にラップありロックありバラードありのミュージカル仕様てんこ盛りを仕込んでみたかっただけ、みたいな。まぁ、ある意味、とても意欲的な作品と思ったな。

 美術含め、映像美はすごいの?
 あんまり趣味じゃない雰囲気なので、評価しづらいけど。

 トラックの荷台でずっと揺られてる金魚は、ある意味虐待でないの?
 本筋じゃないから、気にしちゃイケないんだろうけど。

 一応、ミュージカル仕立てよね?
 いっぱいツッコミどころあったけど。

 でも、そこがメインディッシュみたいだから、思ったこと書きなぐってみるね?
 でも、あくまで個人の感想なんで、読んだ人、気に障ったらゴメンね、なんだけど。

 尾上松也さんの歌唱は、すごく伸びやかでうまいと思うけど、けっこうLUNA SEA河村隆一さんのモノマネに聴こえて、なんかしら興ざめしてしまってた。さらに、時おり狂気じみた表情が混じるのが、とてつもなく不快。そういう役柄なんだから、仕方ないんだろうけどさ。え? そう見えたんなら、役者冥利に尽きるの? さて、どうなんだかなぁ…。

 柿澤勇人さんは、朝ドラ〝エール〟で藤山一郎さんがモデルの山藤太郎さんを演ってたんだが、そん時から端正な歌唱だけど平板で、微妙に歌心が伝わって来ない印象だったんよなぁ…。今回も、何か歌唱部分の印象が薄かった。なんでだろうね? なんか、ボクの心には響いて来ない歌い方なんだよなぁ。演技部分は役柄のせいなのかどうなのか、飄々としてるのに、それがワザとらしいというのか、なんか一人だけ浮いてた印象だったなぁ…。

 百田夏菜子さんに至っては、彼女にソロで歌を唄わせるなんて酷すぎる、って思ってまった。グループの中で、か細い声を一所懸命に張り上げて健気にアイドルソングを歌ってるうちはイイけど、正直、声が出て無すぎて、二人で歌ってるときなんか、ハーモニーにさっぱり絡んでないカンジが痛々しくさえ思えてさ。おまけにメイクのせいなのか、ちょっと陰のある役柄のせいなのか、すっかり老けて見えてしまって、彼女の魅力が全然引き出せてない気がしたのよ。もう、とっても残念。

 唯一、歌ってる主要メンバーで歌も演技もカッコいいなぁと思えたのが、石田ニコルさん。すごいハマリ役だったと思うし、歌もパンチが効いてて、イチバン心にズシンと響いたなぁ。


 で、さ。吉乃の秘密って、何だったっけ?
 やっぱり、ストーリーは、全然アタマん中入って来てなかったなぁ^^;
 今のところ、唯一無二なカンジの作品だとは思ったけどね。


●監督:真壁幸紀 ●脚本:土城温美 ●音楽:鈴木大輔 ●原作:大谷紀子(コミック『すくってごらん』/講談社「BE LOVE」所載)