竜とそばかすの姫【IMAX版】
私的評価★★★★★★★★☆☆
(2021日本)
50億人がすれ違う
美しくも残酷な仮想世界。
ベルの歌声は世界を変える──
自然豊かな高知の田舎に住む17歳の女子高校生・内藤鈴(すず/声:中村佳穂さん)は、幼い頃に母を事故で亡くし、父と二人暮らし。
母と一緒に歌うことが何よりも大好きだったすずは、その死をきっかけに歌うことができなくなっていた。
曲を作ることだけが生きる糧となっていたある日、親友に誘われ、全世界で50億人以上が集うインターネット上の仮想世界<U(ユー)>に参加することに。<U>では、「As(アズ)」と呼ばれる自分の分身を作り、まったく別の人生を生きることができる。歌えないはずのすずだったが、「ベル」と名付けたAsとしては自然と歌うことができた。ベルの歌は瞬く間に話題となり、歌姫として世界中の人気者になっていく。
数億のAsが集うベルの大規模コンサートの日。突如、轟音とともにベルの前に現れたのは、「竜」と呼ばれる謎の存在だった。乱暴で傲慢な竜によりコンサートは無茶苦茶に。そんな竜が抱える大きな傷の秘密を知りたいと近づくベル。一方、竜もまた、ベルの優しい歌声に少しずつ心を開いていく。
やがて世界中で巻き起こる、竜の正体探し(アンベイル)。
<U>の秩序を乱すものとして、正義を名乗るAsたちは竜を執拗に追いかけ始める。<U>と現実世界の双方で誹謗中傷があふれ、竜を二つの世界から排除しようという動きが加速する中、ベルは竜を探し出しその心を救いたいと願うが──。
現実世界の片隅に生きるすずの声は、たった一人の「誰か」に届くのか。
二つの世界がひとつになる時、奇跡が生まれる。
もうひとつの現実。もうひとりの自分。
もう、ひとりじゃない。
(『竜とそばかすの姫』公式サイト「ストーリー」より引用)
ryu-to-sobakasu-no-hime.jp
映画は体験だ──正しく、その言葉の意味を全身の感覚で体感する濃密な時間。
本業が声優じゃない人たちのセリフ回しが棒読みで、なんかジブリ映画みたい。
リアルワールドのストーリーが、何とも御都合主義的で、クライマックスなんか、随分と雑でお粗末なまとめ方に感じる(てか、お花畑満開過ぎて、危険すぎる)。
イマジナリーな仮想空間の出来事も〝何とかとBEAST〟みたいなんとか、いろいろ既視感覚えるところがある。
──まぁ、いろいろマイナスなイメージもあるにはあるんだけど……。
BELLEの登場する画面の圧倒的なビジュアル演出と、中村佳穂さんの圧倒的な歌唱にすべて持ってかれたカンジ。
気づいたら、身震いが止まらず、ほろほろと涙がこぼれてた。
何と言うか、静かに魂を揺さぶられたみたいな、うん、あれは、魂の浄化だな。そんな体験だったよ。
これは、ディテールに賛否両論があったとしても、この夏ぜひとも体験すべき映画であることは、間違いないと思ったね。
できれば、でっかいスクリーンと抜群にイイ音響設備で。
と言うことで、IMAXでの本作の体験は、何よりの〝至福の時間〟となったのだよ。
ただし、ストーリーは破綻しまくってるので、シーンによっては倫理的に許せないくらいの人もいると思うから、映画見てお話に納得感が欲しい方には、まぁ悪しからずってことで^^;
ところで、鈴は高知のどの辺りからどこの高校まで何時間かけて通学してるんでしょう? バスは9月から路線廃止になるって車内に貼り出してたし、電車にも乗ってるし、相当な遠距離通学だと思ったんだけど。自分なら、3年間通う自信無いかも^^;
※劇中歌『歌よ』/中村佳穂
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●原作・脚本・監督:細田 守 ●企画・制作:スタジオ地図 ●音楽監督・音楽:岩崎太整 ●音楽:Ludvig Forssell、坂東祐大 ●メインテーマ:millennium parade × Belle 『U』(ソニー・ミュージックレーベルズ)