真夏の方程式
私的評価★★★★★★★☆☆☆
(2013日本)
福山雅治主演の人気ドラマ「ガリレオ」の映画版第2作。変人と呼ばれる准教授・湯川が出会ったのは夏休み中の少年。2人が滞在する、旅館を経営する一家が抱える秘密とは?
物理学者の湯川(福山雅治さん)は美しい自然が海に残る玻璃ヶ浦の海底鉱物資源開発計画の説明会に招かれ、旅館“緑岩荘”に滞在する。彼は親の都合で夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平(山﨑光さん)と出会う。翌朝、堤防下の岩場で男性の変死体が発見される。遺体は元警視庁捜査一課の刑事(塩見三省さん)で、服役後に消息を絶ったある殺人事件の犯人を捜していたらしい。現地入りした警視庁捜査一課の刑事・美砂(吉高由里子さん)は湯川に捜査への協力を依頼する。
(WOWOWの番組内容から引用)
海岸線を走る開放感たっぷりの電車に乗ってたどり着く木造の駅舎。
美しい玻璃ヶ浦の景色、海の色は青く深く、夏休みに過ごす鄙びた海辺の町。
だが、海底鉱物資源の調査を巡って、小さな町は保護と開発の2極に分かれ、侃々諤々と揺れていた。
夏の日差しの下で、ペットボトルロケットの発射実験を繰り返す湯川と恭平少年。
ロケットを使って200m先の海中を恭平に見せるという。
実に、興味深いwww
しかし、そのとき既に事件は起こっていた。
湯川と恭平が滞在している旅館の客が岩場で死体となって発見されるが、まもなく死因は一酸化炭素中毒であると分かる。
ガリレオシリーズをよく知らないんだけど、たぶん警察でもない一物理学者の湯川が、警察の依頼の前に自ら事件に首を突っ込むなんて、かなりレアなケースなんだろうと思う。
今回は、むしろ湯川が先回りして、美砂に捜査の指示を出し、十数年前にすでに容疑者が服役して解決済みのホステス殺人事件が引っ張り出されることに。
旅館を経営する一家が懸命に守ろうとした秘密とは、いったい?
なんとも。やるせない事件。
家族の秘密にまつわる殺人事件を扱うミステリなんて、古今東西うんざりするほどあるんだろうけど、なんとも釈然としない。
杉下右京なら、こんなぬるい解決はしない。たぶん。
その結果、もっと陰々滅々とした終わりを迎えていたことだろう。
湯川が法の番人でなくて良かった……のだろうな。
湯川は、一人の関係者の人生が捻じ曲がろうとするのを、すんでのところで食い止めた……たぶん。
それをせめてもの救いとするか。
にしても、やるせない。
背負わせるには重過ぎる秘密だ。
前作よりは見応えがあったけど、胸に残るもやもやが……人生は、ときに自分の思いとは裏腹の方向に転がることがあるけれど、その試練に耐えるのは、難儀なことだ。
※映画版第1作
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