一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

ぼくらの7日間戦争

私的評価★★★★★★★★★★

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映画『ぼくらの7日間戦争』公式サイトより引用

 (2019日本)

自分らしく生きると決めた。

 いつもひとりで本ばかり読んでいる、鈴原守(声:北村匠海さん)。話し相手といえば、同じ歴史マニアが集うチャットのメンバー。
 「青春時代は、人生の解放区よ」。
 平均年齢還暦越えと思われるその場所で、今日もメンバーの一人が、恋に悩む守にからかい半分のエールをくれた。

 片思いの相手は、お隣に住む幼馴染の千代野綾(声:芳根京子さん)。しかし綾は、議員である父親の都合で東京へ引っ越すことを迫られていた。しかも、いきなり一週間後。それは守が密かにプレゼントを用意していた彼女の誕生日の目前だった。
 「せめて、17歳の誕生日は、この街で迎えたかったな」。
 やり場のない綾の本音を聞き、守は思い切って告げる。
 「逃げましょう……っ!」。

 綾の親友・山咲香織(声:潘めぐみさん)をはじめ、明るく人気者の緒形壮馬(声:鈴木達央さん)、ノリのいい阿久津紗希(声:道井悠さん)、秀才の本庄博人(声:大塚剛央さん)までもがこの逃避行に加わり、駆け落ちを夢見ていた守は拍子抜けするが、特別な夏の始まりには違いなかった。もはや観光施設にも使われていない古い石炭工場を秘密基地に、ただ7日間、大人から隠れるだけのバースデー・キャンプ。それは、少年たちの精一杯の反抗だった。立坑櫓(たてこうやぐら)から屋上へと登れば、どこまでも高く広がる空が、彼らを迎えた。

 だが、その夜、工場に潜んでいたタイ人の子供・マレット(声:小市眞琴さん)と出会ったことで、事態は想像もしなかった方向へ向かう。不法滞在で入国管理局に捕らわれかけていた所を間一髪助けると、はぐれた家族を探しているのだと、守たちに打ち明けた――

 2日目の朝、今度は武装した入国管理局の職員が、マレットを連れ去りにハンマーを振りかぶり工場へ突入してきた。守は、仲間たちの協力のもと、敵の撃退作戦を決行する!
(映画『ぼくらの7日間戦争』公式サイト「STORY」より引用)

7dayswar.jp


 中山ひとみ役で宮沢りえさんが出ているとのことで、観ました。
 
 期待をはるかに上回る感動作!

 SNSを駆使して世間を味方につけるとか、逆にそれがアダになって窮地に陥るとか。
 はたまた不法滞在なのかどうなのか、タイからの難民?だったり、マイノリティのことにもアプローチしてみたり。
 自分がマイノリティなのかどうかには無自覚ながらも、本音をカミングアウトする怖さに日々怯えてきたことと、本音を隠し周りと折り合いをつけながら生きる大人の理屈への抵抗感と。
 かなり意欲的な〝反抗期〟になっていたのだけど、嵐の夜にそれらを見事に落とす脚本の素晴らしさ、感激しました。

 戦車の代わりの仕掛けも、すごく良かったなぁ。目の前に広がる光景の美しさに、自然と涙が溢れました。


 観終えたときの爽やかな感動、宮沢りえ版の主題歌〝Seven Days War〟のメロディが被ると、もう、ウルウルが止まらず、すぐに、また観たいなぁ、と思わせてくれました。


※今思うと、名作だったなぁ。
vgaia.hatenadiary.org
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●監督:村野佑太 ●脚本:大河内一楼 ●原作:宗田理(小説『ぼくらの七日間戦争』/角川つばさ文庫、角川文庫・KADOKAWA刊) ●アニメーション制作:亜細亜堂