一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

HORIZON~宇宙の果てにあるもの

私的評価★★★★★★★★★☆

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有限会社Live公式サイト『HORIZON~宇宙の果てにあるもの』より

 (2017日本)

 天動説と地動説をめぐる論争。歴史は再び繰り返される…ハッブルの発見をもとに、宇宙膨張を説いたルメートル。しかし彼の学説はまったく受け入れられなかった。当時の科学者は宇宙は昔から大きさを変えないという定常宇宙論を支持していたのだ。しかし38年後、宇宙膨張の証拠である宇宙背景放射が、ペンジアスとウィルソンによって発見される。そして宇宙背景放射の壁の向こうには宇宙誕生の秘密が隠されていた。
(有限会社Live公式サイト『HORIZON~宇宙の果てにあるもの』あらすじより引用)

HORIZON 〜宇宙の果てにあるもの
HORIZON ~宇宙の果てにあるもの | 株式会社 五藤光学研究所


 倉敷科学センターのプラネタリウムで鑑賞。41分バージョンをプラネタリウムのフルドームスクリーンで上映中。

 宇宙に興味を持ち始めたのは、小学1年生のころ。
 46億年とか137億年とか途方もない数字で表される〝時間〟というものを認識し、自分がこの世界から無くなったあと、いやさ人類が地上から滅び去ったあと、誰も観測する者がいなくなっても在り続ける〝宇宙〟という存在のスケールの大きさを測りかね、一方でボク自身のなんともちっぽけで取るに足らない存在の小ささに心打ち砕かれ、わずか7歳で世の無常を知りました(今よりずっと大人だったかもしれませんwww)。

 宇宙の研究に関わる者は、多かれ少なかれ、似たようなことを考えたことがあるんじゃないかと、勝手に思っています。
 ボクはそこで打ちひしがれて、ただただ負け犬のように夜空を見上げるだけの人間になりましたが、この映画に登場する実在の天文学者や物理学者たちは、真理を探究することに人生を捧げ、宇宙の果てにあるものの秘密を探ろうとしました。たとえ、自身の学説が受け入れられなくとも、信念に基づき、自身の仮説を裏付ける証拠を求めて宇宙に挑み続けます。歴史に名を残す学者はごく一握りの存在でしかないかもしれませんが、この映画は、現代物理学に続く天文学者たちの挑戦の歴史を、圧倒的なスケール感で迫る美しいCG映像と荘厳なBGMで見せてくれます。
 内容は確かに難しいかも知れませんが、彼らの宇宙にかける情熱を、ぜひ見届けてほしい、そんな気持ちにさせられるステキな映画です。


※上坂監督の作品。
vgaia.hatenadiary.org


●企画・総合プロデューサー・監督・シナリオ・絵コンテ:上坂浩光 ●音楽:酒井義久 ●監修:小松英一郎 ●配給:㈱五藤光学研究所(2017年)