一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

のんちゃんのり弁

私的評価★★★★★★★☆☆☆

のんちゃんのり弁 通常版 [DVD]

 (2009日本)

 永井小巻(小西真奈美さん)は、下町育ちの31歳。ある日、夫・範朋(岡田義徳さん)のダメ亭主ぶりに愛想を尽かした小巻は、娘ののんちゃん(佐々木りおさん)を連れて実家に出戻った。まずは仕事を見つけねば、と面接を受けるもうまくいかず、生活は苦しくなるばかり。得意の弁当作りで新境地を開こうと決意した小巻は、おいしい弁当屋さんを持つことを決意し、小料理屋「ととや」の門を叩く。そんな時、カメラ店を営む高校時代の同級生・健夫(村上淳さん)と再会する。
(キノフィルムズ公式サイトより引用)


観たら絶対食べたくなる!本年度NO.1お弁当ムービー!
圧倒的演技!小西真奈美×各賞受賞緒方明監督


モントリオール世界映画祭他、国内外で数々の賞を受賞した『いつか読書する日』の緒方明監督待望の新作は、人気コミック「のんちゃんのり弁」(講談社「モーニングKC」所載)を原作に、人間のひたむきさ、可愛らしさ、愛しさを描く物語。主人公を演じるのは、映画・テレビ・CMなどで幅広く活躍する実力派女優・小西真奈美。本作の圧倒的存在感で、毎日映画コンクールヨコハマ映画祭の主演女優賞を受賞! さらに物語に深みをだしているのは、倍賞美津子岸部一徳岡田義徳村上淳山口紗弥加ら個性派役者陣。のり弁をはじめ、サバの味噌煮、肉じゃがなど次々と登場する料理を手がけるのは、『かもめ食堂』『めがね』のフードスタイリスト・飯島奈美。下町を舞台に懸命に生きる人の姿を描いた、明日へ歩き出せるハートフルムービー!
(DVDパッケージより引用)



 小西さんの演じる小巻を見ていると、来た道を忘れて今を生きてるオトナは、眉をひそめたくなるかもしれないなぁ。
 後先考えて行動できない、見ていて危うさしか感じない、でも、自分に正直に、ひたむきに、生きたいように生きている真っ直ぐなエナジーが、全力でみなぎり、当たり構わずほとばしっているカンジ。
 ダメ亭主との本気の取っ組み合いのケンカ、開いた口が塞がらなかったわ~^^;
 知り合いの女の子の、二十歳前ぐらいのころの武勇伝を思い出したなぁ。


 岸部一徳さん演じる『ととや』の主人が小巻に投げかける言葉が、すごく重みがあって、人生終盤に差し掛かってるボクでさえ、自分が諭されてる気持ちになりました。
 ボクは、今まで何も覚悟を決めないで、なんとなく流されるように生きてきたなぁ、なんて。
 きっと、ちゃんと責任を取るために、大きな代償を払うだけの勇気が持てなかったというか、そうしなくても、なんとかなる人生だったのかな。
 ただ、月給取りの生活をリタイアした後のことを考えたら、今のままでイイわけはないな、とは、ぼんやりと思っているのも事実。
 自分らしく生きていこうと思ったら、覚悟を決めて実行しなきゃいけない時が、あるんだろうな。


 小西さんはボクが苦手なタイプの女性の役ばかりするので、個人的にはあんまり好きな俳優さんとは言えないんだけど、それでも演技はすばらしいと思っています。
 本作でも、いろんな場面で、セリフでなく表情だけで、さまざまな感情を表現されてて、見ているボクも、たびたびドキッとさせられました。


 最後に、映画においしそうな料理を登場させる〝フードスタイリスト〟というお仕事をなさっている飯島奈美さん。
 案外、ボクの好きな映画に、たびたび関わってらっしゃってて、本作でものんちゃんののり弁をはじめ、サバの煮付けのバラエティ、肉じゃが、イカとトマトの肝バター焼きなど、おいしそうな料理をたくさん提供されています。
 確かに、『観たら絶対食べたくなる!』気分にさせられました。


※フードスタイリスト・飯島奈美さんが手がけた料理が出てくる作品たち
vgaia.hatenadiary.org
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●監督:緒方明 ●脚本:鈴木卓爾緒方明 ●原作:入江喜和(コミック『のんちゃんのり弁』/講談社モーニングKC刊)